デザイナーのKです。
グラフィックデザインからWebデザインの世界に入ってまだ2ヶ月。
衝撃を受けた言葉があります。
「グラフィック的におしゃれなデザインやクオリティが高いデザインは必ずしも効果が高いわけじゃない。むしろダサいほうが良いこともある。」
グラフィックを愛し、探求してきた私は鉄球で頭を殴られたようなショックを受け、もはや再起不能なまでに落胆しました。
ああ、間違った世界に生まれてきてしまった・・・。
目次
しかし生きるため、なんとか立ち直らなくてはなりません。
そこでまず、世間のデザインに対する認識についてググりました。
ざっくり整理すると、
【悪口(読むのが辛い)】
- コンテンツ(中身)が大事であって、見た目は二の次だ
- 景気が悪くなると真っ先に切られても仕方ない
- デザイナーは主観的で頭の良くない人
- デザインの価値は数値化出来ない
- デザインが経営にどういった影響があるかを明確に出来ない
- 現実に、デザインが優れていることの価値について稟議を通すのは容易ではない
【褒め言葉(ありがたし)】
- デザインによって、ユーザーの印象を操作できる
- 色の効果によって無意識に意図を伝えられる
- 視認性を工夫できる
- ターゲット層を絞ることができる
- デザインはチームやビジネスを支配する
こんな感じです。
・・・、客観的に見て、「褒め言葉」は「悪口」より抽象的ですね。説明が必要ですね。
デザインは無意識に訴えるものですから、勉強しないと意識できないのです。
まぁなんにしても、悪口のほうが明確で分かりやすく、ズバッと心に入ってしまうものです。
褒めるより批判するほうがより簡単で娯楽性があります。
だからワイドショーの視聴率は落ちないわけです。
いっぽう、デザインの意義をテーマに書かれたブログを検索するとどれも苦悩に満ちた長文で、「こんなに説明しないとデザインの価値を説明できないとしたら、そりゃあ誤解される」と思ってしまいます。
さぁ、このままではデザイナーの存在意義が無い!
ああ、この絶体絶命の状況に、ドンキホーテのように無謀な戦いを挑む私。
デザインの価値がいまだに分からないちょっとお馬鹿なあなたのために、より一層お馬鹿な私が無い頭をひねる、そんなことに価値があるのだろうか。
さて気を取り直して・・・、
ここで【例え話】と【体験談】を1つずつ共有します。
シンプルで、すごく分かりやすい筈です。
そう願います。
あなたよりお馬鹿な私が、一生懸命考えました。
どうか心して読んでください。
【例え話スタート】
「人間は中身が勝負」と、あなたは思っているとする。
でも、お目当の異性とデートをする際に「ファッションを気にしない」ですか?
印象を整えることこそがマナーであり、「気持ちを伝える重要な手段」なのです。
【例え話ここまで】
おっと、反論したくなったあなた、あなたの屁理屈はこんなところでしょう。
・スティーブショブズはいつも同じ服を着ていた
→言っときますがそれもファッションです。「時間を大切にする」という彼のこだわりを体現する重要なシンボルであり、メッセージなのです。
・ならばデザインとは、単なる「ミテクレ」のことを指すのか?
→そうです、ミテクレが大事だ、と言っているのです。結婚式にジャージで参列しますか?
今度は実際に私が体験したお話です。
【体験談スタート】
私が特別な意匠(詳細はナイショ)の名刺デザインを提供したT社から実際にいただいたお言葉。
「名刺を差し出すと100%驚かれる。『へぇー!こんな名刺は初めてです、すごいですね!はぁー!』相手にプラスの印象を残し、ビジネスに対する姿勢や世界観が伝わり、なおかつその場をリード出来る。デザインの価値は、まさにプライスレスだ」
【体験談ここまで】
さぁ、どうですか?
すごいでしょう!
【結論】
デザインは、「印象」という、容易には操作できない脳の高次機能を一瞬で制御できるマジックなのです。
それにより、デザインは「みんなで作り上げるプロダクトや仕事などの世界観(指標)を示すことができる」のです!
デザイン以外では実現不可能な芸当です。
最後に、天下の特許庁が発行したとても参考になるURLを共有して締めます(これでもくらえ!)。
「デザインにぴんとこないビジネスパーソンのための”デサイン経営”ハンドブック」(発行者:特許庁)