ECコラム

ECサイト制作でよく利用される決済方法とは?
決済方法の選び方も紹介

ECサイト制作

ECサイトの利便性を上げるにはどのような施策をとればいいのでしょうか。どのサイトでも共通して行える施策が、顧客層に合わせた決済方法の選択です。この記事ではよく利用される決済方法の各特徴と、選択ポイントを解説します。利便性を向上させて、販売機会の損失を防ぎましょう。

 

ECサイト制作でよく使われる決済方法

ここではECサイト制作でよく使われる決済方法を6つ紹介します。

 

クレジットカード決済

クレジットカードによる決済利用は全体の65%以上にも達するため、サイト構築の際には導入が必須といえます。口座からの引き落としや、即時決済ができるため、決済後のキャンセルや代金の未回収が少ないのも特徴です。また、利用層もクレジットカードを保有する20代~80代と広範囲です。

 

一方で、ECサイト側にはデメリットもあります。その一つがチャージバックのリスクです。チャージバックとは、カード保有者が決済に対して同意しない場合、ECサイトの売上が取り消される仕組みです。これは、第三者によるクレジットカードの不正利用時や、購入者が商品の取引に納得しない場合などに発生します。リスクを未然に防ぐためにも、運用の際は安全なシステムの構築や、商品・サービスの品質向上に努める必要があるでしょう。

 

コンビニ決済

商品購入の手続き後、専用の払込票や支払番号を使い、コンビニのレジで代金を支払います。24時間営業の全国コンビニから支払いができるため、顧客にとって手軽で利便性の高い決済方法です。クレジットカードがなくても利用できるため、カードを持てない若年層やカード情報をECサイトに登録したくない利用層にも有効です。

 

コンビニ決済はクレジットカードを使わない顧客にも、高い利便性が提供できます。銀行とは違い、24時間営業なので、時間を選ばず手軽に利用が可能です。また、支払い手順に困っても店員に対応してもらえるので、ECサイトの利用が初めての顧客も安心です。一方で、地方などコンビニの分布率が低い場所に住む顧客に対しては十分な効果を発揮できないデメリットもあります。

 

代金引換

顧客が宅配業者に商品代金を払うのと引き換えに、注文商品を受け取る決済方法です。宅配業者が顧客から代金を回収してくれるので、未回収のリスクがほとんどありません。クレジットカード情報の入力や複雑な利用手順を必要としないため、高齢者や新規若年層の獲得が期待できます。

 

欠点は、宅配業者に代金回収サービスを頼むという立場上、手数料が高くなってしまうことです。また、代金引換は玄関先での宅配業者とのやり取りに抵抗を感じたり、注文商品を知られたくなかったりするユーザーには好まれないのも注意点です。

 

銀行振込 

ショップが指定した銀行口座に商品代金を振り込みます。昔から主要な決済方法であるため、顧客の認知度が高く、幅広いビジネスに利用できます。決済のデジタル化が進む前から存在しているため、ネットが不得手な高齢層の顧客もカバーが可能です。

 

銀行振込は同一銀行だと手数料がかかりません。また、使い慣れている人が多いことから、新しい決済方法に馴染めない顧客をカバーする役割が期待できます。

一方で、銀行振込の営業時間によって利用制限を受けるという欠点もあります。営業時間が日中の労働時間と被るため、万人に使いやすいとは言えません。また、ECサイト側でも、15時以降の入金は翌日扱いになってしまうため、発注や発送にタイムラグが発生しやすいというデメリットがあります。

 

キャリア決済 

支払いを、「docomo」「au」「SoftBank」などのキャリア携帯の電話料金とまとめて行う決済方法です。決済画面から各キャリアのページに移動し、ユーザー自身が事前に登録した4桁の暗証番号を入力するだけで決済が可能です。利用手順が短く済み、クレジットカードを必要としないことから学生など若年層の顧客獲得が期待できます。

 

キャリア決済は、決済が完了した時点で各携帯キャリアが商品代金の債権を譲り受ける仕組みなので、未回収リスクがほぼ発生しません。一方で、キャリア決済の手数料は、クレジットカードの1.2~1.5倍と割高です。また、携帯キャリアごと仕様の違いや、年齢・契約期間の利用限度額があるため、それが商品購入の際のトラブル発生につながることもあります。

 

ID決済

ここ数年で導入が進んでいる新しい決済方法です。Amazon Pay、楽天ペイなど、会員登録した外部サイトの決済サービスから料金を支払います。IDにクレジットカード情報のほか、名前や住所、電話番号など会員情報が紐づけされているため、購入時の入力の手間を省いて利用ができます。入力フォームでのカゴ落ちを防止できるほか、カード番号の漏洩を懸念する顧客層の獲得にも有効です。

 

ID決済を導入するには初期費用や月額利用料がかかる場合があります。実装にあたっては、ECシステム側の改修が必要になるでしょう。また、一部ID決済に関しては導入審査が厳しく、審査期間が長くなることがあるのも注意点です。

 

導入する決済方法の選び方のポイント

各特徴を踏まえたうえで、導入する決済方法を選択するポイントは次の2つです。

 

顧客の年齢層

年齢層によって好まれる決済方法は異なります。たとえば、若年層は審査内容と年齢制限の関係から、クレジットカードの所有率が高くありません。若者をターゲットとする場合、カードを必要としない決済方法も用意しておいた方が無難でしょう。また、若年層はデジタル化に抵抗のない世代です。ID決済やキャリア決済など新しい決済方法との相性がいいのも特徴といえます。

 

一方で高齢層は従来の決済方法を好む傾向があります。デジタル化による利便性の向上に懐疑的な人も少ないため、新しい決済方法とは相性がよくありません。決済方法をカバーするなら以前からある銀行振込や代金引換などを選択した方がいいでしょう。このように、ターゲットの利便性を優先するのが選択基準の一つです。

 

自社が取り扱う商材

たとえば、定期的にサービスや商品を提供するサブスク型のECサイトなら、利便性を考えて口座振替サービスに対応した決済方法を選ぶべきでしょう。また、高額商品を扱うなら、現金を用意しなくてはならない代金引換はリスク面から好ましくありません。取引するにあたり、顧客に手間やリスクを掛けさせない決済方法を選ぶこともポイントです。

 

まとめ:決済方法は複数用意しておくことが大切

顧客の利便性を確保するには、年齢層や扱う商材を考慮する必要があります。一つで顧客をカバーしきれないと判断したら、複数の決済方法を用意しましょう。適切な決済方法の選ぶことが、機会損失の防止につながります。