採用コラム

COLUMN

TOP採用コラム採用ブランディング採用ブランディングとは?採用マーケティング・広報との違いや進め方を徹底解説
採用ブランディングとは?採用マーケティング・広報との違いや進め方を徹底解説
更新日:

採用ブランディングとは?採用マーケティング・広報との違いや進め方を徹底解説

採用ブランディングとは何か」という問いに対し、単なるイメージアップ戦略と考えている企業は少なくありません。
しかし、労働人口の減少が加速する昨今の採用市場において、自社を「選ばれるブランド」として確立することは、企業の存続に直結する重要な経営課題です。
本記事では、採用マーケティングや採用広報との違い、具体的な手順、ターゲット別の効果的な手法まで、徹底的に解説します。

採用ブランディングの基礎知識

採用活動の難易度が年々高まる中で、多くの企業が「採用ブランディング」の重要性を再認識しています。
まずは、その定義と背景にある市場の変化について詳しく見ていきましょう。

採用ブランディングとは

採用ブランディングとは、企業が「働く場としての魅力」を定義し、ターゲットとなる人材から選ばれるために独自のブランドを構築する活動を指します。
結論から言えば、これは「自社がどう見られたいか」と「求職者がどう感じているか」を一致させるプロセスです。
例えば、単に「給与が高い」と伝えるのではなく、「挑戦を支援する文化がある」という価値を浸透させることで、その価値に共感する層を引き寄せます。
これにより、条件面だけで比較されない独自のポジションを築くことが可能になります。

採用ブランディングが注目されている背景

採用ブランディングが注目されている理由は、求職者の情報収集能力が向上し、企業側が情報をコントロールできなくなったことにあります。
かつては求人広告のスペック情報だけで応募が集まりましたが、現在はSNSや口コミサイトで社内の実態が容易に可視化されます。
そのため、表面的な取り繕いではなく、本質的な自社の魅力を定義し、正しく伝え続ける「ブランド戦略」が不可欠となったのです。

採用市場の変化と労働人口の減少

現在、日本の労働市場は深刻な人手不足に直面しています。
結論として、労働人口の減少は「企業が人を選ぶ時代」から「人が企業を選ぶ時代」への完全なシフトをもたらしました。

総務省の統計を見ても生産年齢人口は減少の一途をたどっており、従来の手法では母集団形成すら困難です。
この市場環境において、他社にはない自社独自の「選ばれる理由」を明確にするブランディングは、生存戦略そのものと言えます。

引用元:総務省統計局「人口推計(2025年(令和7年)11月令和2年国勢調査を基準とする確定値、2026年(令和8年)4月概算値) (2026年4月20日公表)」

採用のミスマッチと早期離職の問題

採用ブランディングは、入社後のミスマッチを防ぐための強力な手段となります。
なぜなら、ブランディングの過程で自社の社風やリアルな働き方を詳しく発信することで、価値観の合わない層が自ずとフィルタリングされるからです。
「誰でもいいから応募してほしい」という姿勢ではなく、「自社の価値観に合う人に来てほしい」というメッセージを打ち出すことで、結果的に定着率の高い人材の採用に繋がります。

採用競争の激化とCXの重要性

採用競争が激化する中で、候補者が選考プロセスを通じて抱くCX(候補者体験)」がブランド形成に大きな影響を与えます。
結論として、スカウトの文面から面接の対応、合否連絡の速さに至るまで、すべてがブランディングの一部です。

候補者が「この企業と関わってよかった」と感じる体験を提供できれば、不採用になった場合でも、その人は将来の顧客や紹介者としてのブランドサポーターになってくれる可能性があります。

採用マーケティングとの違い

採用ブランディングが「自社独自の価値を定義し、ブランドを構築する活動」であるのに対し、採用マーケティングは「ターゲットを分析し、応募へ導くための仕組み作り」を指し、その目的とアプローチが大きく異なります。
ここでは、まず採用マーケティングの概念を整理した上で、ブランディングとの決定的な違いを明確にしていきます。

採用マーケティングとは

採用マーケティングは、マーケティング手法を用いて候補者を獲得する「仕組み」を指します。
結論から言えば、ブランディングが「価値の定義」であるのに対し、マーケティングは「価値を届けて行動(応募)を促す手法」です。

例えば、ペルソナを設定して広告を運用したり、数値分析を行ったりするのはマーケティングの領域です。
ブランディングで定めた「軸」があるからこそ、マーケティング施策が効果を発揮します。

採用広報との違い

採用広報は、自社の情報を社会や候補者へ向けて発信する「活動そのもの」を指します。
結論として、広報はブランディングを実現するための有力な「手段」の一つです。
ブログやSNSで社員インタビューを公開するのは広報活動ですが、その内容がブランディング戦略に基づいた一貫性のあるものでなければ、ブランドとして蓄積されません。
「何を伝えるか」がブランディング、「どう伝えるか」が広報です。

企業ブランディングとの違い

企業ブランディングが「顧客や投資家」を主な対象とするのに対し、採用ブランディングは「求職者や従業員」を対象とします。
ただし、両者は密接に関連しています。
サービスがどれほど素晴らしくても、働き方の評判が悪ければ採用ブランドは傷つきます。
逆に、活き活きと働く社員の姿は、顧客に対してもサービスの信頼性を高めるという相乗効果を生みます。

採用ブランディングに取り組む目的

なぜ、多くのリソースを割いてまでブランディングを行う必要があるのでしょうか。
その目的は、単なる知名度向上ではなく、経営課題の解決にあります。

優秀な人材からの応募を増やす

最大の目的は、自社のビジョンや価値観に合致する優秀な人材からの応募を増やすことです。
結論として、ブランドが確立されると「ここで働きたい」という能動的な動機を持つ層にリーチできます。

具体的には、これまで自社を認知していなかった潜在層が、SNSでの発信を見て興味を持つといったケースです。
ブランドの魅力が強力であれば、知名度の低い企業でも、ハイスペックな人材を獲得するチャンスが生まれます。

採用コストの削減

ブランディングに成功すると、求人媒体や紹介会社に依存しない採用が可能になります。
これは、中長期的な採用コストの大幅な削減に直結します。

例えば、自社サイトからの直接応募や、社員の紹介によるリファラル採用が増加すれば、1人あたりの採用単価(CPA)を数分の1に抑えることも可能です。
広告費を「消費」するのではなく、ブランドという「資産」に投資する考え方です。

選考・内定辞退率の改善

内定辞退の主な原因は、他社との比較における「決め手の欠如」や「不安」です。
採用ブランディングによって自社の魅力が深く理解されていれば、候補者の志望度は最初から高い状態に保たれます。

「この会社でなければならない理由」が明確であればあるほど、競合他社との内定バッティングに強くなります。
納得感を持って選考を進めるため、辞退率を劇的に下げることができます。

自社にマッチした人材の定着率向上

ブランディングは採用して終わりではありません。
目的の一つには、入社後の定着率向上も含まれます。

結論として、事前に社風や業務の厳しさも含めた「リアルなブランド」を伝えておくことで、リアリティ・ショックが軽減されます。
自身の価値観と企業の方向性が一致しているため、入社後のモチベーション維持もしやすく、離職防止に大きく寄与します。

採用ブランディングのメリット

目的を達成した先には、企業にとって非常に大きなリターンが待っています。
それは単なる数値目標の達成以上の価値です。

自社の認知度と魅力の向上

ブランディング活動を継続することで、ターゲット内での「第一想起(真っ先に思い浮かぶこと)」を獲得できます。
これは広告を出し続けなくても、「〇〇な仕事なら、あの会社」という認知が広がる状態です。
また、認知の「質」も向上します。
「知っている」だけでなく「良いイメージを持っている」状態を作ることで、採用におけるブランド力を盤石なものにします。

競合他社との差別化

条件面の比較競争から脱却できる点は、大きなメリットです。
給与や休日数といった「スペック」は他社に模倣されやすいですが、企業の歴史、文化、社員の想いといった「ブランド」は唯一無二であり、模倣できません。
差別化が明確であれば、例え競合が大手企業であっても、特定の才能を持つ人材を惹きつけることが可能になります

潜在層へのアプローチが可能になる

今すぐ転職を考えていない「潜在層」に対して、中長期的な関係を築けるのもブランディングの強みです。
結論として、日頃から有益な情報や魅力的な文化を発信し続けることで、彼らが転職を考えた際の最初の候補リストに入ることができます。
タレントプールを構築し、いざ欠員が出た際にすぐにアプローチできる状態は、現代の採用において最強の武器となります。

社員のエンゲージメントと誇りの醸成

採用ブランディングは、外部への発信だけでなく、内部の社員(インナーブランディング)にも良い影響を与えます。
自社の魅力が社外で評価されていることを知ると、社員は自社に対する誇りを持ちます。
「自分の会社はこんなに素晴らしい発信をしている」と感じることで、エンゲージメントが高まり、結果として社員自らがリファラル採用に協力してくれるという好循環が生まれます。

採用ブランディングのデメリットと注意点

多くのメリットがある一方で、取り組む際には理解しておくべきリスクやコストも存在します。

効果が出るまでに時間がかかる

採用ブランディングは「即効薬」ではありません。
結論として、信頼と共感を築くには最低でも半年から1年程度のスパンを想定する必要があります。
短期的な応募数アップだけを求めるなら求人広告が適していますが、長期的な資産形成を目的とするなら、焦らずじっくりと腰を据えて取り組む覚悟が求められます。

制作物や運用に社内リソースが必要

一貫したメッセージを発信するためには、コンテンツ制作の体制が必要です。
記事執筆、写真撮影、SNS運用など、現場社員や人事の工数が想像以上にかかる場合があります。
「片手間でやる」レベルでは中途半端な発信になり、ブランドを毀損する恐れもあります。
専任の担当者を置くか、信頼できる外部パートナーと連携するなどの体制構築が不可欠です。

実態と乖離したブランディングによる入社後ギャップ

最も警戒すべきなのが「盛りすぎた」ブランディングです。
結論として、実態以上の姿を見せて採用しても、入社後に嘘がバレれば即座に離職に繋がります。
ブランディングとは「化粧」ではなく「磨き上げ」です。
社内のネガティブな側面も隠しすぎず、どのように克服しようとしているかというストーリーとして伝える誠実さが求められます。

採用ブランディングにおけるターゲットの設定方法

採用ブランディングの成否は、「誰に届けるか」というターゲット設定の精度で決まります。
万人受けを狙ったメッセージは誰の心にも残らないため、自社が本当に求める人物像を細部まで言語化する必要があります。

採用ターゲット設定に必要な2つの軸

ターゲットを定義する際は、単なる「経歴」だけでなく、以下の2つの軸で整理することが重要です。

  • ハードスキル(能力・経験)
    職務遂行に必要なスキル、資格、経験年数、専門知識など
  • ソフトスキル(志向性・人間性)
    価値観、仕事に対する姿勢、コミュニケーションスタイル、自社のカルチャーとの親和性

ブランディングにおいては、特に「ソフトスキル」の言語化が重要です。
どのような価値観を持つ人に自社の魅力を伝えたいのかを明確にすることで、共感を生むメッセージの種が見つかります。

ペルソナの設定方法と重要性

ターゲットをさらに深掘りし、実在する一人の人間かのように設定するのが「ペルソナ」です。
年齢、居住地、現在の職種といった基本情報に加え、以下のような項目を設定します。

  • 現在の仕事で抱いている悩みや不満
  • キャリア形成において重視している価値観
  • 情報収集でよく利用するSNSやメディア
  • 仕事以外の趣味やライフスタイル

ペルソナを細かく設定することで、採用チーム内での認識が統一され、「このペルソナならSNSの広告よりも、オウンドメディアの社員対談に惹かれるはずだ」といった具体的な施策の精度が飛躍的に向上します。

ペルソナについて詳しく知りたい方は、「採用ペルソナとは?重要性や設計方法、作成手順などを徹底解説」も合わせてご確認ください。

ターゲット設定時の注意点

ターゲット設定において陥りがちな失敗は、「自社にとって都合の良い理想像」を描いてしまうことです。
結論として、ペルソナは「実在する可能性が高い人物」である必要があります。
あまりに条件を盛り込みすぎると、市場に存在しない架空の人物に向けて発信することになり、誰にも届かない結果に終わります。
現場社員へのヒアリングを行い、「実際に自社で活躍している人の共通点」をベースに設定することが成功のポイントです。

ターゲット別の採用ブランディング

ターゲットの属性や自社との距離感によって、最適なブランディングのアプローチは異なります。
ここでは、特にアプローチが難しい「潜在層」と、応募直前の「顕在層」に分けて、効果的な方法を解説します。

潜在層:共感と認知を軸にした長期的なファン化

現時点で転職を考えていない「潜在層」に対しては、強引な募集ではなく、自社の思想や文化への「共感」を軸にしたブランディングが最適です。
結論として、彼らの日常に自然に溶け込むような発信を心がけます。
具体的には、SNSでの役立つ情報のシェアや、オウンドメディアでの「社員の挑戦ストーリー」などの発信です。
これらを継続することで、いざ彼らが転職を検討し始めた際、自社を「最初の相談候補」として思い出してもらう状態(第一想起)を目指します。

顕在層:信頼と納得を軸にした動機形成

既に転職活動を始めている「顕在層」に対しては、不安を払拭し、入社の決手を提示する「信頼」重視のブランディングが求められます。
この層は他社と条件を比較しているため、具体的な仕事内容、評価制度、キャリアパス、そして職場のリアルな人間関係といった「納得感のある情報」を重点的に届けます。
採用サイトの社員インタビューや、カジュアル面談を通じて、「この会社なら自分の理想が叶う」という確信を持ってもらうことがゴールです。

採用ブランディングを成功させる7つのステップ

実際にどのように進めていけばよいのか、具体的な7つのステップに沿って解説します。

STEP1:現状の課題整理と分析

まずは、自社の採用における現状を直視することから始めます。
結論として、なぜ人が集まらないのか、なぜ辞めてしまうのかといったボトルネックを明確にします。
3C分析(自社・競合・候補者)を用いて、他社と比較して自社がどのポジションにいるのか、客観的なデータを集めることが第一歩です。

STEP2:ターゲットの明確化

次に、「誰に」ブランドを届けるのかを具体化します。
単に「30代のエンジニア」ではなく、どのような価値観を持ち、どのようなキャリアの悩みを抱えている人物なのか、一人の人間(ペルソナ)として設定します。
ターゲットが曖昧だと、発信するメッセージも誰の心にも刺さらない平凡なものになってしまいます。

STEP3:

自社の独自の強み「EVPEmployee Value Proposition:従業員価値提案)」とは、企業が従業員に対して提供できる独自の価値です。
福利厚生などの物理的報酬だけでなく、「社会への貢献感」「成長環境」「人間関係の質」など、社員が自社で働くことで得られる無形の価値を言語化します。
これは、ブランディングの核(コア)となる部分です。

STEP4:コンセプトとメッセージの策定

EVPを元に、ターゲットに刺さる言葉(メッセージ)を策定します。結論として、シンプルで覚えやすく、かつ自社らしさが凝縮された言葉選びが必要です。
「世界一〇〇な会社」といった抽象的なものではなく、ペルソナが自分事として捉えられる具体的なストーリーを持たせることがポイントです。

STEP5:発信メディアの選定

メッセージを届けるための「場所」を選びます。すべてのメディアに手を出す必要はありません。
新卒ならSNS、中途ならオウンドメディアやWantedly、パートなら地元密着型のWeb掲示板など、ペルソナが日常的に触れている情報接点を優先的に選定します。

STEP6:コンテンツの制作と配信

いよいよ具体的にコンテンツを作ります。
社員インタビュー、オフィス紹介動画、代表のビジョン語りなど、複数の形式でブランドを肉付けしていきます。
配信においては「量」よりも」と「頻度」のバランスが重要です。
週に一度でも、一貫性のある質の高い情報を届け続けることが信頼を生みます。

STEP7:効果測定と改善

施策がブランド構築に寄与しているかを定期的に振り返ります。
アクセス数や応募数だけでなく、候補者アンケートで「どこに魅力を感じたか」をヒアリングし、ブランドメッセージが正しく伝わっているかを確認します。
得られたフィードバックを元に、ペルソナ設定やメッセージの微修正を繰り返し、PDCAを回すことでブランドを磨き上げます。

有効なメディアとツールの活用法

有効なメディアとツールの活用法

情報を届けるための「武器」を適切に使い分けましょう。
それぞれの特徴を活かした運用が求められます。

採用サイト(社員インタビュー)

自社の公式な情報発信の拠点となるのが採用サイトです。
結論として、ここには候補者が最終的な意思決定をするための「最も深く、正確な情報」を蓄積すべきです。
具体的には、募集要項だけでなく「社員インタビュー」を主軸に据えるのが効果的です。
社員が自分の言葉で仕事の醍醐味や苦労を語る姿は、企業が用意した美辞麗句よりも遥かに高い説得力を持ち、候補者の入社意欲を醸成します。

社員インタビューについて詳しく知りたい方は、「採用サイトの社員インタビューとは?掲載するメリットや、必須の質問内容まで徹底解説」も合わせてご確認ください。

採用オウンドメディア

採用オウンドメディアは、潜在層に対して自社の魅力を多角的に伝える「採用広報」の主軸となります。
採用サイトが「公式な顔」であるのに対し、オウンドメディアは「日常の顔」を発信する場です。
社内のイベント、部活動、研修の様子など、日常的な風景を継続的に記事化することで、求職者は「自分がそこで働く姿」を具体的にイメージできるようになります。

採用オウンドメディアについて詳しく知りたい方は、「採用オウンドメディアとは?採用サイトとの違いやメリット・運用ポイントを徹底解説」も合わせてご確認ください。

SNS(X・Instagram・TikTok)

SNSは、拡散性の高さと「親しみやすさ」を演出するのに最適です。
積極的に活用するのは、下記3つのツールです。

  • X(旧Twitter): 企業の考え方、業界知見など「言語化された文化」の発信
  • Instagram: オフィスの内装や社員の表情など「視覚的な魅力」の訴求
  • TikTok: 短尺動画による「親近感や温度感」の直感的な伝達

3つのツールの特徴を理解したうえで活用することで、効果を高められます。
特に若年層をターゲットにする場合、SNSでの「中の人の顔が見える発信」はブランド構築に欠かせません。

採用広報プラットフォーム(Wantedly等)

Wantedlyなどのプラットフォームは、給与や待遇ではなく「想い」や「ミッション」で繋がることを前提としたメディアです。
共感を軸にしたブランディングを行うには最適な環境であり、既に「社風やビジョンを重視」して仕事を探している層が集まっているため、効率的にターゲットへリーチし、自社のファンを増やすことが可能です。

動画コンテンツ

文字情報だけでは伝わらない「熱量」や「ニュアンス」を瞬時に伝えるには動画が最も適しています。
1分程度の短い動画であっても、視覚と聴覚に訴えかけることで、記憶に残る強力なブランドイメージを形成します。
また、前述の社員インタビューを動画化すれば、表情や声のトーンから社内の雰囲気がよりリアルに伝わり、入社後のミスマッチ防止にも大きく寄与します。

ダイレクトリクルーティングツール

意外かもしれませんが、ダイレクトリクルーティングツールを通じたスカウトメールも、重要なブランディングの接点となります。
一通一通のスカウト文面そのものが、候補者にとっての「ブランド体験」に直結するからです。
ツールを活用して直接アプローチを行うことで、従来の公募では出会えなかった層に対し、自社の存在と魅力を知ってもらう貴重なきっかけづくりが可能になります。
この際、「誰にでも送っている定型文」ではなく、「あなたのこの経験に惹かれた」という丁寧なメッセージを届けることが重要です。

採用ブランディングで失敗しないためのポイント

せっかくの取り組みを無駄にしないために、陥りがちな落とし穴を回避する方法を学びましょう。

経営層の巻き込みと理解を得る

採用ブランディングは全社的なプロジェクトです。
現場や人事だけで進めても、経営トップのメッセージと乖離があればブランドは崩壊します。
結論として、経営層にブランディングの意義を説き、自らの言葉で発信してもらう機会を作ることが不可欠です。
トップの関与が、社内の協力体制を強化する鍵になります。

社員の実態を正しく伝える

「良いことばかり」を並べ立てるのは逆効果です。今の求職者は、完璧すぎる情報に不信感を抱きます。
失敗談や課題、現在取り組んでいる苦労なども含めて「ありのまま」をさらけ出すことで、逆に信頼感(オーセンティシティ)が高まります。
弱さを見せることが、ブランドの強さになることもあります。

継続的な発信体制を構築する

ブランドは一日にして成らず、です。発信が途絶えると、求職者は「最近はこの会社、元気がないのかな?」と不安を感じます。
無理のない範囲で、習慣化できる仕組みを作ることが重要です。
コンテンツ制作を外注したり、社員が交代でブログを書くなど、属人化させない体制を整えましょう。

ターゲット視点を徹底する

自社の言いたいことだけを言っていませんか?結論として、常に「ターゲットが何を知りたいか」という視点を忘れてはいけません。
例えば、キャリアアップを望む層に対して福利厚生ばかり強調しても響きません。
ペルソナが抱える悩みに対し、自社がどう解決策(働く場)を提供できるか、という視点を貫きましょう。

定量的・定性的な指標で評価する

ブランディングの効果は見えにくいものですが、可能な限り数値化します。

  • 定量: 自社サイト流入数、スカウト返信率、採用単価の推移
  • 定性: 面接での志望理由の変化、社員のSNS発信数の増加

これらのデータを定点観測することで、戦略が正しい方向に進んでいるかを確認し、社内への報告もスムーズになります。

採用ブランディングの成功事例

成功例から、自社に取り入れられるエッセンスを見つけましょう。

独自の世界観を構築した事例

あるIT企業では、「自由と自己責任」という一貫したカルチャーを徹底的に発信しました。
厳しい側面も隠さず、高い自律性を求めるメッセージを出し続けた結果、応募数こそ減ったものの、求める「自走できる人材」の割合が劇的に向上し、選考効率が飛躍的に改善されました。

社員を主役にした発信事例

老舗製造業の企業が、若手社員の日常や葛藤を追いかけたドキュメンタリー風の記事を連載。
「古い、堅い」というイメージが払拭され、理系学生の間で「若いうちから裁量を持てる面白い会社」という認知が定着。
大手競合を抑えてトップ層の採用に成功した事例です。

SNS活用で母集団形成に成功した事例

地方の中小企業が、TikTokで職場の「おもしろ動画」を投稿し続けた事例です。
最初は採用目的ではなかったものの、親近感が爆発し、これまで全くリーチできなかった層から「この人たちと働きたい」という応募が殺到。
採用費ゼロで年間の採用枠をすべて埋めるという快挙を成し遂げました。

採用ブランディングに関するよくある質問

Q1. 採用ブランディングは中小企業でも取り組むべきですか?

A. 知名度に頼れない中小企業こそ取り組むべきです。
大手企業と条件面で競うのではなく、独自の社風や仕事のやりがいをブランド化することで、特定の層にとって「唯一無二の選択肢」になることができます。
少ない予算でもSNSなどを活用すれば、アイデア次第で十分に大手に勝てる可能性があります。

Q2. 採用ブランディングの効果が出るまでどのくらいの期間が必要ですか?

A. 一般的には半年から1年程度の継続が必要です。
ブランドとは信頼の積み重ねであり、認知を広げ、共感を得て、行動(応募)に移るまでには一定の時間がかかるためです。
短期的な応募数だけでなく、面接での志望度の変化や採用単価の推移など、中長期的な視点で成果を追跡することが重要です。

Q3. 採用広報との役割分担はどうすればよいでしょうか?

A. ブランディングで自社のEVPを明確にし、その軸に沿って広報活動を展開するのが大切です。
採用ブランディングは「自社がどう見られたいか」という戦略(何を、誰に)であり、採用広報はそのブランドを「どう届けるか」という具体的手段(どうやって)です。
まずはブランディングで自社のEVPを明確にし、その軸に沿って広報活動を展開することで、一貫性のある力強い情報発信が可能になります。

Q4. ブランディングの成果を測る指標(KPI)は何が適切ですか?

A. 採用サイトのアクセス数、SNSのフォロワー数、採用単価などが適切です。
主な指標には、採用サイトのアクセス数、SNSのフォロワー・エンゲージメント数、リファラル採用の比率、採用単価、内定承諾率などがあります。
また、最終面接での「会社のファンになった」という声や、社員の自社への推奨度といった定性的なアンケートも、ブランド浸透の重要なサインとなります

採用ブランディング自社の魅力を誠実に社会へ届け続けるプロセス

採用ブランディングとは、一朝一夕で完成するものではなく、自社の本質を見つめ直し、それを社会へ誠実に届け続けるプロセスです。
昨今の激動する採用活動において、ブランドこそが最強の採用競争力となります。
「自社には語れるような魅力がない」と諦める必要はありません。
どんな企業にも、そこで働く理由と独自のストーリーが必ず存在します。
まずは自社のEVPを言語化するところから、一歩を踏み出してみましょう。
その一歩が、数年後の貴社の採用を大きく変える資産となるはずです。

採用成果につながる、採用サイトの制作・リニューアルは株式会社SPCへ

株式会社SPCでは、10年以上の実績で培ったノウハウをもとに、採用課題の整理から戦略設計、コンテンツ制作まで一貫してご支援し、ご要望に合わせた採用サイトの制作を行っています。
また、採用サイトの見直しをご検討の方には、ターゲットの選定からご支援し、成果につながるリニューアルのご提案から改善まで一貫して対応いたします。
採用に関するお悩みがございましたら、下記ボタンよりお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

株式会社SPC編集部
コラム監修者
株式会社SPC編集部
株式会社SPC編集部は、2012年創業のWeb制作会社・株式会社SPCに所属する編集チームです。採用サイト制作を強みとし、これまで多くの企業の採用支援を行ってきました。
社内のデザイナー・エンジニア・マーケッターが連携し、実務で培った知見をもとに記事を執筆・監修しています。採用活動における課題解決やWeb活用に関する情報を、実践的な視点でわかりやすくお届けします。