インスタグラム活用の全体像を解説。
具体的なマーケティング手法・活用メリットとは?
いまやインスタグラムは、ツイッターやフェイスブックと並んで膨大なユーザー数を抱えるSNSの代表格です。自社商品やサービスを有効なプロモーション活動によって広めたい企業なら、インスタグラムを活用しない手はありません。
ではインスタグラムによるマーケティングでは、どのようなことができてどのような効果が得られるのでしょうか。具体的な例を見ながら解説していきますので、ぜひ自社マーケティングの参考にしてください。
インスタグラムはマーケティングにも活用できる
インスタグラムとはどのようなSNSか?
インスタグラムとは「写真や動画を共有することに特化したSNSサービス」です。ツイッターやフェイスブックでも写真や動画を共有することは可能ですが、インスタグラムはさらに「スマホの画面上で、直感的かつ簡単に操作できる」という設計であるため操作性に優れ、10~20代の若い世代を中心に多くの利用者を獲得しています。
最近では、商品やサービスの情報を収集する目的で利用する人も増えています。まるでグーグルで検索するようにインスタグラムでキーワード検索をし、インスタグラムを経由して商品を購入する例も珍しくありません。
インスタグラムの機能
- 投稿
インスタグラムの投稿には、写真または動画が必要。「文字だけの投稿は原則不可」という点が大きな特徴です。(後述の「ストーリーズ」は例外)
- 「フォロー」
特定アカウントをフォローすることで、そのアカウントユーザーの投稿内容が自分のタイムラインに表示されます。
- ハッシュタグ
キーワードの頭にハッシュマーク(♯)をつけたタグをハッシュタグと言います。ツイッターユーザーならおなじみの機能です。
- ストーリーズ
通常の投稿とは違って、ストーリーズへの投稿は24時間で削除されます。ストーリーズでは文字だけの投稿も可能であるため、あまり拡散したくないつぶやきをこっそり投稿したい場合などにも活用されているようです。
インスタグラムユーザー層
SNSを利用する全ユーザーのうち、インスタグラムのユーザー率は、25.1%を占めています。さらに20代に限っては52.8%と主要SNSサービス(※)でトップの利用率を誇っています。しかし年齢が上がっていくにつれてインスタグラムのユーザー数は減っていき、60代ではわずか4.3%しかいません。
このようなユーザー属性を前提とするなら、たとえば「20代女性を対象とする化粧品」の宣伝ではインスタグラムを徹底活用すべきという結論となるでしょう。一方で「リタイアした高所得世帯を対象とする別荘地」をインスタグラムで宣伝するのは「場違い」ということになります。
このように、インスタグラムをSNSマーケティングに活用することは十分に可能ですが、あくまでも“モノ”を“誰”に“どう売るか”がビジネスを成功させるうえで重要であり、そのためにはターゲットの選定を誤らないよう十分に分析することが大切です。
※本記事での「SNS」は、ツイッター・フェイスブック・インスタグラムを想定しており、YouTubeやニコニコ動画、LINEは除きます。
インスタグラムを活用したマーケティングのメリットとは
企業ブランディングができる
自社の商品やサービスの集客・販促をするには、まず「知ってもらう」ことが不可欠です。商品やサービスは、企業の「想い」や「理念」の結晶だからです。SNSを活用すれば、わざわざ多額のコストをかけずとも、企業ブランドを確立させることが可能です。
国内にとどまらず海外に向けても情報拡散が可能
SNSで「バズった」情報はユーザー同士のつながりを経由して、日本だけではなく世界中に拡散される可能性もあります。たとえば多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーに依頼して商品やサービスの宣伝を行った場合、「いいね」や「返信」を通じて情報があっという間に拡散していくため、マーケティング効果は非常に高いと言えます。
インスタグラムを活用したマーケティング方法
インスタグラムを活用するマーケティングには、次の5つの方法があります。
ハッシュタグを活用する
ハッシュタグには好きなキーワード、コメントを設定することができます。企業が自社の商品やサービスの固有名詞をハッシュタグ化して投稿すれば、それだけで一つの広告が完成します。
ストーリーズを活用する
ストーリーズは24時間で自動削除されます。スーパーやオンラインストアのタイムセールでも使われるように、「時間限定」のセールスは古典的な宣伝方法であり、消費者の購買意欲を刺激する有効な手段です。
またストーリーズはスマホの画面全体に表示されるので、通常のギャラリーよりもユーザーの目につきやすいという特徴があります。
動画を活用する
文字よりも画像、画像よりも動画という順番で、人間の視界に飛び込む情報量は増えていきます。インスタグラムのメイン機能となる“投稿”に使用されるのは大半が写真や動画です。コンパクトで質の高い動画にまとめて投稿すれば、高い宣伝効果を発揮することができます。
広告を活用する
インスタグラムの広告は4種類あります。
- 写真広告
タイムライン上に表示される写真1枚だけの広告です。特段、制約はありませんが、説明文をしっかり読んでくれるユーザーはあまりいませんので、写真1枚でユーザーの心をつかむ必要があります。その意味では最も難しい広告と言えるかもしれません。
- カルーセル広告
画面をスライドさせて複数の写真を表示させる広告です。画像のアスペクト比が1:1(正方形)に限定されます。
- 動画広告
写真広告の動画版です。写真よりも情報量が増えますが、60秒未満にまとめる必要があります。
- ストーリーズ広告
すでに説明したように、ストーリーズへの投稿は画面全体に表示されるため、ユーザーの心に残りやすくなります。ただし、24時間で自動削除されるため、広告にかけるコストや広告を打つタイミングを吟味することが重要です。
インフルエンサーに依頼する
インスタグラムを使って商品やサービスを宣伝する場合、インフルエンサーを活用するのも一つの方法です。自前で広告を打つだけのマーケティングは、費用対効果という点では効率が悪いケースも散見されます。インフルエンサーに適切な報酬を支払って宣伝してもらうほうが、情報拡散の見地では圧倒的な成果を上げられます。
インフルエンサーを活用するなら、宣伝する商品やサービスがインフルエンサーの個性にフィットしていることが絶対条件です。たとえば、スリムで背が小さく、10代の女性インフルエンサーに「成熟した大人の女性に着こなして欲しい、シルクのモノトーンスーツ」を宣伝してもらっても説得力に欠けます。
では、日頃から「野菜が嫌い!絶対に食べない」と公言している芸能人に、野菜をたくさん使った新商品を宣伝してもらうことは逆効果になるでしょうか?この方法では、投稿に用いるテキスト(コピーライティング)などを工夫することで、「あれだけ野菜が嫌いな人がおいしく食べられるって、どんな商品?」と、ユーザーの強い関心を集め、情報が拡散される期待も高まります。
このように、インフルエンサーを活用する場合は、「合理性」だけでなく「意外性」も狙うと成功する確率が高まるでしょう。なお、企業独自で目的に合ったインフルエンサーを探すのが難しい場合は、インフルエンサーキャスティングサービス会社を利用し、インフルエンサーの起用から企画・調査・分析といったトータルマーケティングまで依頼することも可能です。
まとめ:インスタグラムの特徴を理解してマーケティングに活用しよう
インスタグラムには、「若い世代の利用者が多い」「写真や動画など、視覚に訴える投稿がメイン」「多くのファンを持つインフルエンサーを上手に活用することで、商品やサービスをたくさんのユーザーに宣伝できる」といった特徴があります。
このような特徴をよく理解してマーケティングに活用すれば、CM・看板・チラシ・Web広告等の一般的な広告よりも、はるかに低コストで、高い宣伝効果を得ることが可能です。企業のマーケティング担当者の方は、本記事で解説した情報等を参考に、インスタグラムの活用を検討してみてはいかがでしょうか。