SNSを拡散させる方法とは?
SNSマーケティングが必要な理由と期待される効果についても解説
企業にとって、LINE・ツイッター・フェイスブック・インスタグラムなどのSNSは単なるコミュニケーションツールではありません。企業が自社製品やサービスを拡散するためのマーケティング手段として、SNSはいまや欠かせないツールです。
とはいえ、SNSマーケティングには一定の知識が必要です。アカウントを取得して、一方的に投稿を繰り返すだけでは、広告効果は期待できません。
そこで本記事では、主に企業でマーケティング戦略を担当する方に向けて、SNSがマーケティングになぜ必要とされるのかを解説します。記事の後半では「SNSにおいて投稿を効果的に拡散させる方法」も紹介するので、参考にしてみてください。
SNSによるマーケティングが必要な理由とは?
企業にとってSNSによるマーケティングが必要な理由は、主に2つあります。
SNSユーザーの増加
国内のインターネット利用率は80%を超えています。そのうち、スマートフォンを使ってネットを利用するユーザーが59.7%とトップであり、次いでパソコンを利用するユーザーが52.5%となっています(2017年総務省調査)。パソコンと違って、スマートフォンは時間と場所を問わず利用できるため、気軽にネットへ接続し、情報収集や商品を購入するという消費者行動を促進する役割を果たしていると言えます。
高いネット利用率に伴い、SNSユーザー数も年々増加しており、すべての年代の平均では54.7%、年代別に見ると10代で68.4%、20代で74.4%、30代で72.4%と非常に高い利用率となっています。また消費支出がもっとも増える40代から50代においても、50〜60%がSNSを利用しています。
このような現状を踏まえると、企業のマーケティング活動において、SNSを活用することは有効であると言えるでしょう。
SNSユーザーによる流入
ネットによる情報収集は、グーグルなどの検索エンジンを利用する方法に限られません。特にSNSユーザーの場合、タイムラインに流れる情報や友人が投稿した情報などから、自分好みの商品やサービスに関する情報を集め、参考にすることが増えています。それは、SNSユーザー数の増加に伴い、SNSから流入する顧客の割合が増えていることを意味しています。
SNS拡散によって期待される効果
企業がツイッターやインスタグラム、フェイスブックなどを利用して、自社の商品やサービスに関する情報を拡散することには、次のような効果が期待できます。
・集客・販売促進
インターネットを使う広告を総称して「Web広告」と言います。Web広告は、ネット利用者の検索行動や閲覧行動などを分析し、求めている情報を推測して、適切な広告をユーザーの端末に表示するというものです。このようなWeb広告は、検索エンジンを使って頻繁に自然検索をするユーザーや、ネットサーフィンをするユーザーには効果的です。
しかし他方で、SNSユーザーのように、個々人が発信した信ぴょう性のある情報に価値があると考えるユーザーに対しては、限定的な効果しか得られません。SNSユーザー数の増加傾向を踏まえると、SNSを使った集客・販促には大きな効果を期待することができます。
・企業ブランディング
自社の商品やサービスをできるだけ多くのユーザーに知ってもらうこと。これが企業ブランディングの王道であり、SNSマーケティングは本来、こういった認知施策を目的として行われてきましたが、今では、購買に直結するマーケティング手段となってきました。“SNS拡散による効果”も期待できますが、SNSを活用したブランディングにも大きな可能性があります。多額のコストをかけてオウンドメディアやWeb広告を立ち上げなくても、SNSで多くのファンを獲得することで、企業ブランドを育てていくこともできます。
・キャンペーンやイベントなど情報の拡散
たった一人の著名なインスタグラマーが投稿したイベント情報の告知は、あっという間に数十万、数百万のSNSユーザーのタイムラインに流れていきます。これと同等の情報拡散効果を通常の広告やWeb広告で行おうとすれば、膨大なコストが必要です。このことから、「キャンペーンやイベント情報の拡散」にとってSNSは有効なツールだと言えます。
・第三者による情報発信
SNSのユーザーは自分の体験を言葉や画像と共に投稿することを好みます。その投稿がある企業の商品やサービスである場合、SNSユーザーが自社の商品やサービスを、わざわざ無償で世の中に宣伝してくれたことになります。
このようにSNSには、企業の予測を超えて、不特定多数のユーザーが「企業のマーケティングを代行して情報発信してくれる」という効果があります。
SNSの種類とユーザー層について
SNSにはさまざまな種類があり、しかもそれぞれのユーザー層には一定の特徴があります。
各SNSサービスのユーザー層
現在もっとも多くのユーザーを抱えるSNSは「LINE」です。2017年時点の13歳から69歳までの男女を対象にした調査によるとSNSの全ユーザー数のうちLINEは75.8%もの利用率を誇っています。ただし、LINEの場合は、特定の仲間同士の情報共有に使うケースが多く、ツイッターのように「不特定多数のユーザーが投稿する情報がタイムライン上に大量に流れる」というツールではありません。そのため、マーケティング目的で積極的に活用する企業はあまり多くないようです。
同調査においてLINEの次にユーザー数が多いSNSはフェイスブックとツイッターで、どちらも約30%の利用率です。フェイスブックはユーザー同士が親密な関係でつながっている点に特徴があります。それに対してツイッターは匿名登録が可能ということもあり、ユーザー同士のつながりはライトです。
4番目にユーザー数の多いSNSがインスタグラムで、約25%のユーザー数を有しています。ユーザー数だけで考えるとフェイスブックやツイッターより劣るようにも思えますが、若い世代のSNSユーザーはインスタグラムを好んで使う傾向があります。
特徴を把握して適切なマーケティングが必要
各SNSにはそれぞれユーザーの数や属性に特徴があり、何も考えずにマーケティングを展開しても効果は上がりません。たとえば若者向けの商品であればインスタグラム、地域色の濃いサービス(たとえば商店街の特売など)ならフェイスブック、世代属性や地域性を問わない商品ならツイッターを活用するなど特徴に応じてSNSを使い分けるようにしましょう。
SNSにおいて効果的に情報を拡散させる方法は?
SNSにおいて情報を効果的に拡散させるには、SNSサービスの使い分けだけでなく、「投稿の時間帯を意識する」「インフルエンサーを活用する」といった視点も重要です。
投稿の時間帯を意識する
「いいね」や「返信」が増えるのはどの時間帯でしょうか。各SNSのユーザーが活発に利用する時間帯をチェックしましょう。
- ツイッター
平日は7時・12時・21〜22時、休日は21〜22時
- インスタグラム
平日は7〜8時・12時・21〜22時、休日は21〜22時
- フェイスブック
平日は7時・12時・21時・休日は21〜22時
このように、ユーザーが活発に利用しているのは平日なら7時頃または12時頃であることが分かります。これは出勤で電車に乗っている時間帯やお昼休憩の時間帯に当たります。また21〜22時は平日・休日にかかわらず活発に利用されていますが、これは仕事を終えて帰りの電車に乗っている時間帯や、帰宅してくつろいでいる時間帯に当たります。
このような統計を踏まえると、SNSは、単に情報を収集するだけでなく、「暇つぶし」や「リラックス」のためのツールとしても利用されていることがよく分かります。マーケティングを行う企業は、このような統計情報を活用して情報拡散を行うことが重要です。
広告を利用する
SNSで広告を打つことにも一定の情報拡散効果があります。ただし、最近ではユーザーの目が肥えてきており、広告と分かる投稿について拒絶反応を示す場合もあります。SNSで効果的な広告を展開するには、消費者心理をよく分析することが不可欠です。
インフルエンサーを活用する
インフルエンサーへユーザーに訴求したい情報の投稿を依頼するという方法には、広告を打つ方法よりも拡散しやすくなるというメリットがあります。広告を打つ場合、広告を目的としていることが伝わり、ユーザーに嫌悪感を抱かれる可能性がありますが、インフルエンサーを経由することで、ユーザーに広告目的の投稿であることが認知されない可能性が高いと言えます。またインフルエンサーには一定数の「ファン」がいます。ファンは、インフルエンサーの投稿が広告だと理解していた場合も、すでにインフルエンサーにプラスのイメージを抱いているため、「いいね」や「返信」をする傾向があります。
まとめ:SNS拡散による効果を理解して最適なマーケティングを
SNSにおける拡散の基本的な効果について解説しました。SNSのユーザー数は右肩上がりです。企業がビジネスを展開するために自社の商品やサービスを宣伝する際、「SNSを利用しない」という選択はほとんどない時代になりつつあります。
ただし、記事でご紹介したとおり、SNSを効果的に活用するにはコツが必要です。従来からあるマーケティング理論だけではカバー仕切れない、SNS特有の分析も必要です。
SNSマーケティングを行う際には専門家への相談や、書籍から情報を収集するなどを行い、自社にあったSNSの活用・拡散を見出して、最適なマーケティングを行いましょう。