導入

新型コロナによって採用市場も大きな変化を余儀なくされる中、日本でも定着してきた人材獲得方法が「ソーシャルリクルーティング」です。しかし、実践に当たって手探り状態の採用担当者の方も、中にはいることでしょう。問題解決のヒントを得るために、「他社の成功事例を参考にしたい！」という場合もあるかもしれません。具体的なケースを見ながら有効な方法を学ぶことは、非常に役に立つでしょう。では、あの企業のソーシャルリクルーティングが好調な理由は、一体どこに隠されているのでしょうか。今回はソーシャルリクルーティングを活用した有名な成功事例から、採用戦略を考えて実行するための指針をご紹介します。

ソーシャルリクルーティングの成功事例4選

では早速、ソーシャルリクルーティングを活用した具体的な成功事例をご紹介します。

Facebook・Twitter・Instagram・YouTubeとそれぞれ異なる媒体の事例なので、媒体毎の違いにも目を向けてみてください。

Starbucks (Facebook)

まずは、おしゃれな若い人たちの間で大人気のカフェチェーン「Starbucks」のケースです。

実はStarbucksは、世界的にもソーシャルリクルーティングのモデルとされています。Facebook上で、会社全体のアカウントとは別にソーシャルリクルーティング用のアカウント「Starbucks Partners」を運営しています。Starbucksでは従業員を大切にする気持ちを込めてスタッフのことをパートナーと呼んでいますが、「Starbucks Partners」では、パートナーのワークスタイルやストーリー、求職者に向けたメッセージなど、思いを伝えることに重きを置いています。他でもない「Starbucks」でぜひ働いてみたいと求職者に思ってもらえることを目指して、ソーシャルリクルーティングに情熱を注いていることが感じられるでしょう。

アイティメディア (Twitter)

ソフトバンク系のITニュースサイト運営企業として有名な「アイティメディア」は、日本におけるソーシャルリクルーティング実践のパイオニアとして知られています。まだ現在のようにSNSが広く認識されていなかった2009年からTwitterアカウントを開設し、ターゲットとする就活学生の開拓とアプローチを開始してきました。就活学生たちと手間ひまをかけて丁寧にコミュニケーションをとって相互理解を深めていった成果として、多くのエントリー数に結び付いています。

アイティメディアのソーシャルリクルーティングが成功した理由について、次のようなことが考えられます。まず、2009年の時点でソーシャルネットワークを有効活用できていた学生は、アイティメディアという会社の求める「IT・Web・ネットワークに強い」という理想の人物イメージと合致したことです。次に、ソーシャルリクルーティングの導入を会社全体で戦略的に実行したことも勝因でしょう。また、一般の就活メディアとは異なるポリシーに沿って、活動を進めたことも重要な要因かもしれません。さらに、SNSを利用することで経済的コストは抑えられた分だけ、時間と手間を十分にかけて学生ときちんと向き合っていく労力を惜しまなかったこともあるでしょう。

三井住友カード (Instagram)

大手クレジットカード会社の「三井住友カード」は、Instagramアカウントを活用してソーシャルリクルーティングを実施しています。直接の採用情報だけではなく、会社の空気感や社員の思いが伝わるような投稿が多いのが成功のポイントです。特に「内定者リレー」と題された企画では、ポップな表現で内定者に素顔の自己紹介をしてもらったりするなど、堅いイメージのある金融企業が学生に近づいてファン層を広げていこうと努力していることが、よく伝わってきます。

ソニーミュージック (YouTube)

音楽業界の最前線で質の高いプロダクトを生み出し続けている「ソニーミュージック」では、YouTubeでのミュージックビデオ事業でも有名でしょう。ソニーミュージックが特設した「ソニーミュージックグループ新卒採用」チャンネルでは、コンテンツ数はそう多くないものの、人気お笑い芸人が面接官を演じた360度動画を掲載するなど「おもしろい世界観」を表現していて、多くの再生回数を獲得することに成功しています。
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