企業と応募者の最初のタッチポイントとなるのが、企業のHP内に設置されている採用サイトです。採用サイトは、しっかりと自社のカラーを打ち出し、企業が持つ理念を応募者に理解してもらうための大切な媒体といえるでしょう。今回の記事では、2022年度の採用サイトのトレンドと、いくつかの事例を解説します。

採用サイトのデザインに関するトレンド

まず、採用サイトのデザインにおける近年のトレンドを紹介します。トレンドを把握することで、どういった要素を盛り込めば応募者の目に留まるのかを理解できるでしょう。

ファーストビュー・デザイン

「ファーストビュー・デザイン」とは、サイト閲覧者が初めて目にする視界（ファーストビュー）を意識したデザインです。応募者に一番伝えたい情報をファーストビューに詰め込んで、自社の印象をインプットします。人間は、初見から1分以内で、見たものに対する印象が決まると言われているため、できるだけ応募者に良い印象を与えるデザインの制作が重要です。

スクロールエフェクト

「スクロールエフェクト」とは、画面のスクロールに伴って動きのあるコンテンツが表示される効果です。単調になりがちなテキストコンテンツに変化を付けることで、スクロールの途中でサイトから離脱せずに、最終ラインまで飽きることなく閲覧してもらえます。

マウスオーバーエフェクト

「マウスオーバーエフェクト」とは、マウスの動きによって背景が変化したり、大きさが変わったりする特殊効果のことです。背景が変化することで、コンテンツへの興味を引きつける効果があります。

2022年の採用サイトデザインの事例

採用サイトデザインの質を向上させるなら、事例ごとの印象やプラスの効果を参考にしましょう。ここでは、2022年の採用サイトの事例をいくつか紹介します。

株式会社 公文教育研究会

株式会社公文教育研究会の採用サイトは、シンプルなフォントの縦書きテキストをファーストビューに据え、誠実な印象を与えるデザインです。自社のミッションを分かりやすく伝えていて、応募者への明確なメッセージを送っています。

株式会社ヤマシタ

トップ画面から多彩なカメラワークで撮影した動画を配置し、スタイリッシュで斬新な表現を目指した採用サイトです。マウスオーバーエフェクトも使用した動きのある構成で、閲覧者を飽きさせません。

株式会社小学館

ポップで親しみやすいイラストを前面に出したデザインで、テキスト部分はシンプルな構成です。アースカラーが多めに使われていて、落ち着いていてカジュアルな印象を与えています。

株式会社 資生堂

日本語と英語を併記して、グローバル企業であることを全面に押し出したエレガントで高級感のある採用サイトです。外国社員の声の動画をトップ画面に配置することで、国際的に活躍したいという応募者の希望に訴求しています。

興味を引く採用サイトデザイン制作のコツ

採用サイトは、ただインパクトのあるデザインを用いれば効果が出るわけではありません。ここでは、応募者の興味を引く採用サイトデザイン制作のコツをご紹介します。

ターゲットに合わせたデザイン

ターゲットの応募者に響くデザインである必要があります。個人的な好みに偏ったデザインにしてしまうと、応募者は戸惑って敬遠するでしょう。企業から見た「どのような人材に見てほしいのか・来てほしいのか」という点と、応募者から見た「どんなイメージの企業に入りたいのか」という点をそれぞれ意識する必要があります。

写真・イラストには注力

写真・イラストは、細部まで丁寧な作業を施しましょう。画質が粗かったり、フリーの素材を使ったりしてしまうと、臨場感が薄れてしまい雑な印象を与えてしまいます。どのようなデザインにおいても、第一印象で目を引く画像の使用は重要です。

エントリーボタンの位置

グローバルナビゲーションにエントリーボタンを固定で配置することで、どのページに遷移しても、常に応募者がエントリーのアクションを起こせるようにできます。また、アクセントカラーを使用したエントリーボタンにすることで、コンテンツとの区別を分かりやすくする効果を得ることも可能です。

まとめ：求職者に刺さる採用サイトデザインを制作して応募者を募ろう

ここまで、採用サイトデザインのトレンドと事例、実際に制作する際のコツを紹介しました。毎年、各社が工夫を凝らして、魅力的な採用サイトを更新しています。企業と応募者の最初のつながりとなる採用サイトは、質の高い人材を惹きつけるための媒体として大きな役割を果たし、エントリー数の増減に直接作用するものです。ターゲットを明確に絞って、応募者の心に刺さる採用サイトをデザインできれば、自ずと応募者も増加します。採用活動の中心となるサイトデザインを洗練させることが、自社のヒューマンリソースを向上させるためのスタートラインなのです。ぜひとも応募者が感心するような、素晴らしい採用サイトを作り上げてください。