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人材採用にはなぜ経費がかかる?採用費用の平均と削減方法をご紹介
新たな人材を社内に迎え入れるには、多くのコストがかかります。あらゆる企業にとって、採用費用の膨張は大きな悩みの種です。「良い人材を獲得したいけれど、コストは抑えたい」と考えている企業は多いでしょう。そこでこの記事では、人材採用に経費がかかる理由や採用費用の平均額、削減方法を解説します。
採用費用(採用コスト)の内訳は?
そもそも、人材採用にはなぜ経費がかかるのでしょうか。長年採用活動に関わっている方でも、具体的に何に経費がかかっているか把握できていないことがあります。まずは、採用費用の内訳から確認しましょう。
採用費用は内部コストと外部コストに分けられる
採用費用には、大きく分けて「内部コスト」と「外部コスト」の2種類があります。これらの用語を初めて知ったという方もいるのではないでしょうか。ここからは、用語の意味から内訳まで詳しく解説します。
内部コストとは?
内部コストとは、採用活動を行うにあたって自社内で生じる費用のことです。費用の発生に伴って請求書を発行することがないため、きちんと計算しない限り具体的な金額を把握することが困難です。
内部コストは、金額の細部を正確に可視化しにくいこと、また費用対効果の予想が難しいことから「見えにくいコスト」とも呼ばれます。内部コストの具体的な例としては、下記のようなものが挙げられます。
- ・求人広告の制作費、または制作担当者の人件費
- ・採用担当者の人件費
- ・採用候補者、内定者に支給する交通費
- ・内定者向けの研修会の開催にかかる費用
外部コストとは?
外部コストとは、採用活動に伴って発生する費用のうち、社外に支払うものを指します。内部コストと比較すると、内訳一つ一つの金額が大きくなりやすく、採用費用に占める金額の割合も外部コストの方が高い傾向にあります。
特に多くのコストがかかるのが、求人広告の外注や、人材紹介の利用です。それらはすべて社外との取引を通じて発生するため、請求書の発行を伴います。そのため外部コストは、具体的な金額の把握が容易であり、「見えるコスト」と言われることもあります。以下に示したのは、外部コストの主な項目です。
- ・会社説明会や面接の会場費
- ・求人広告の掲載費
- ・採用サイトや求人広告の制作費
- ・人材紹介会社に支払う紹介料
採用費用の相場は?
採用費用の相場がどのようなものか、気になっている方は多いでしょう。ここでは、採用費用の平均額を新卒採用と中途採用の両方の場合に分けて解説します。今後予想される費用の変化の傾向も合わせて抑えていきましょう。
新卒採用の場合
リクルートの「就職白書2020」によると、新卒採用にかかる採用費用の平均額は、一人あたり93.6万円となっています(2019年度)。その前年度は71.5万円だったため、20万円以上も金額が上がったことになります。
採用費用の増加の要因と考えられているのは、深刻な人手不足です。労働人口の減少により働き手の価値が上がったこと、つまり売り手市場になったことが採用費用の増加を招きました。新型コロナウイルスの感染拡大によりこの傾向はさらに強まり、今後も採用費用は増加していくと見られています。
中途採用の場合
同資料によると、中途採用を行う際にかかる採用費用の平均額は、一人あたり103.3万円です(2019年度)。新卒採用の場合と同じく、こちらも前年度の数字(83.0万円)から20万円ほどの増加となっています。
新卒採用と中途採用で採用費用に差が生じるのは、企業が求める条件の違いがあるからです。新卒採用は基本的に全員が一からのスタートで、教育や育成を行うことを前提としています。一方、中途採用はある程度の経験とスキルを有した即戦力を獲得するために行われることが一般的です。そういった人材が採用市場に現れる機会は少なく、他社との競争率も高くなるため、必然的に採用費用が多く必要になるのです。
採用費用を削減するには?
ほとんどの企業が、採用費用を可能な限り安く抑えたいと考えているでしょう。ここからは、採用費用を削減する方法を解説します。すぐに実行に移せるものもあるため、いくつかポイントを押さえたら早速実践してみましょう。
ミスマッチをなくす
採用のミスマッチをなくすことはとても重要です。採用のミスマッチとは、入社前に抱いていたイメージと、入社後の現実との間でギャップが生じることです。ミスマッチが起こると、社員のモチベーションが上がらず生産性の高い業務を行えなかったり、早期離職してしまったりと悪い結果を招きます。
せっかくお金をかけて人材を採用しても、早期離職されてしまっては費用も時間も無駄になってしまいます。ミスマッチをなくすためには、あらかじめ採用ターゲットを明確にし、事前に提示する情報(社風や労働条件など)に透明性を持たせるなどの工夫が必要です。
選考の無駄を省く
選考にかけるプロセスが多いほど、時間も費用も多くかかります。そのため、省略できる工程がないかどうか考えてみましょう。例えば、オフラインの説明会をなくしてオンラインでの開催としたり、面接を3回行っていたところを2回に減らしたりする方法が考えられます。この機会に、今まで当たり前だった採用スケジュールを全体的に見直してみると良いでしょう。
リファラル採用を導入する
リファラル採用とは、自社ですでに働いている社員の友人や知人を、紹介という形で採用する方法です。社員との関係性や続柄を重視する縁故採用とは異なり、リファラル採用では採用候補者が持つスキルや適正に採用基準の比重を置きます。紹介はあくまでもきっかけとして、会社の戦力になるかをしっかりと判断して採用可否を決めることが大切です。
採用媒体を変える
使用する採用媒体を変えてみるのも方法の一つです。媒体によっては、求人情報の掲載に多くの費用がかかる場合があります。最近主流となっている、Webの求人サイトが最たる例です。ハローワークであれば無料で求人情報の掲載ができるため、採用費用を抑えたい企業は利用すると良いでしょう。
ただし、前述したように採用のミスマッチが起こってしまうと、かえって多くの費用がかかってしまうことになります。自社で採用サイトを制作してビジョンやミッションを提示しておくと、ミスマッチの防止になり費用を抑えることにもつながります。
まとめ
この記事では、採用費用の内訳や平均額、削減するためのポイントについて解説しました。人材の採用にあたっては、どの企業も費用について頭を悩ませているでしょう。
相場の感覚や採用のコツを知ることは、意識や行動を変えるきっかけになるはずです。この記事が、採用費用を安く抑えて良い人材を獲得する方法の参考になれば幸いです。