中途採用において、「自社とマッチング率が高く、即戦力となる人材を見抜くコツを知りたい」というのが採用担当者に共通する考えではないでしょうか。採用を成功させるには、自社の目的に沿ってターゲットを設定することが重要になります。ここでは、中途採用を行う目的やメリットをはじめ、効果的に採用活動を行う方法を解説します。

中途採用とは？新卒採用との違いは？

中途採用と新卒採用の大きな違いはターゲットです。中途採用では、すでに企業での就業経験のある人材を採用します。一方の新卒採用は、就業経験のない新卒生を対象に行われる採用活動です。また、中途採用と新卒採用には、大きく分けて以下のような目的の違いがあります。

中途採用：即戦力となる人材が欲しい

新卒採用：長期的に未来のリーダーポジションの人材を育成したい

中途採用では、スキルと経験を重視し、企業の即戦力となる人材を求めて採用可否を決定します。反対に新卒採用では、社会経験がないぶん、人柄やポテンシャルを重点におき、将来的に活躍するリーダーの育成を目指して採用活動を行います。

中途採用を行う目的とは？

中途採用は、前任者の欠員補充や事業拡大に向けた人員増強を目的として行われる採用活動です。このような目的から、欠員者による業務遅延のカバーができるような即戦力を発揮できる人材が採用の対象になります。

また、事業拡大に伴って、競合他社の知識や新しいアイデアの導入をしたいというのも具体的な目的のひとつです。中途採用は企業の中長期計画達成を目的として、必要な人材を募集する点が大きな特徴になります。

既卒・第二新卒とは？

中途や新卒以外にも、既卒と第二新卒があります。既卒は、学校を卒業してから一度も就業経験がない人を、第二新卒とは、卒業後に入社はしたものの三年以内に転職をする人のこと

を指します。

中途採用は、既卒や第二新卒から比べると社会人経験豊富で、ビジネスマナーが身に付いていることにも期待できます。また、前職でのスキルや経験年数もあるため、即戦力としての活躍を見込めるというのも魅力のひとつです。

中途採用に年齢は影響する？

中途採用では、即戦力となる人材の獲得を目的としているため、採用年齢も大切な判断材料になります。伸びしろという点では、若手人材の方が今後の成長を見込めます。

しかし、即時にマネージャーとして組織をまとめる人材が欲しい場合は、他社で蓄積されたノウハウや経験値を持っているような、ベテランが適任となる場合もあります。採用する年齢は、自社の求めるターゲットによって判断するのが良いでしょう。

中途採用のメリット

上記では、中途採用における目的をご紹介しました。では、中途採用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、中途採用におけるメリットを3つ紹介します。

即戦力となる人材を採用できる

中途採用では、即戦力となる人材を獲得できることがメリットです。同業や同職からの転職者を採用することも多く、専門用語に関するスキルや早い時期から業務の成果を見込めます。

また、職場環境にも慣れていることから、適応能力などの高さやビジネスマナーも備わっています。中途採用では社会経験および経験者をターゲットにしていることから、即戦力となる人材の採用につながるでしょう。

自社になかったノウハウを取り込める

他社での就業経験を持つ人材を採用することで、新しいノウハウを取り込むことができます。通常、事業を展開する際はゼロからノウハウの構築や情報収集を行うため、膨大な時間を費やさなければなりません。しかし、自社にはない価値観を持った人材を採用することで、いまだかつてないアイデアや競合他社の知識を取り入れることができます。他社での就業経験がある人材を得ることで、自社にはなかった新しい知識やノウハウが身近なものになるのです。

研修・教育に時間がかからない

新人教育に費やす時間は、一般的に数週間～数か月ほどかかります。基本的なことから教える場合には、教育や研修などを通じて1からサポートが必要です。

しかし、中途で採用された人材は、社会経験および業界経験があるため、慣れるまでのサポートや説明作業の手間も省けます。ビジネスマナーも身に付いているため人員教育にかかる時間を大きく削減できるでしょう。

中途採用で優秀な人材を採用するには

中途採用では、能力の高い人材の獲得が期待できます。では、より魅力的な人材を採用につなげるにはどうしたら良いのでしょうか。ここからは、中途採用で優秀な人材を獲得するための効果的な方法を解説します。

幅広く母集団形成を行う

中途採用を行う際には、母集団形成が効果的です。

母集団形成とは、自社の価値観にマッチングした人材を集めることです。応募者とのミスマッチングを防止できたり、より理想的な人材を獲得できたりするメリットがあります。

中途採用を行う際には、多くの応募者の中からマッチング率の高い人材の獲得が期待できる、母集団形成に力を入れましょう。

選考のスピードを上げる

採用活動を成功させるには、選考スピードを上げるというのも重要なポイントです。そのためには、採用プロセスを見直す必要があります。

採用活動の課題を明確にし、選考者にスムーズな対応を心掛けることで、内定の辞退を防ぐことも可能です。また、採用活動が滞ってしまうと、本当に魅力的な人材と出会う機会を逃してしまう可能性もあります。採用活動の目的を明確にして選考のスピードをアップさせましょう。

採用サイトの充実を図る

歓迎要件や自社にフィットする価値観など、求めているターゲット像を詳しく載せて採用サイトの充実を図りましょう。採用要件は、スキルセットとカルチャーフィットの二つの観点から決めることが重要になります。

スキルセットは、求職者が応募する際に必要な条件のことをいい、業界経験年数や必要資格などを設定することが一般的です。また、カルチャーフィットとは求職者の価値観や人間性のことを指します。特にカルチャーフィットは、自社の行動方針やビジョンにマッチングしている人材がどうかの大きな判断材料になります。採用サイトを充実させるには、ターゲットを明確にすることが大切です。

まとめ

中途採用では、入社直後から順応性の高さや、革新的なアイデアを発揮できるような人材の獲得を期待できます。自社の価値観とマッチング率が高い人材であればあるほど、業務もスムーズになり、事業拡大や仕事の効率化にも大きくつながるでしょう。

より魅力的な人材の採用を成功させるためには、母集団形成や求人情報の充実化を図るのがおすすめです。自社の中長期計画における目的からターゲットを明確にし、より良い人材の獲得を目指しましょう。