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求人原稿を作成する際は著作権に注意!求人原稿の記述や写真で注意すべきことについて解説

企業が求人媒体に求人広告を出す際に求人原稿を作成するのは、求人活動を展開するうえで重要なプロセスです。

 

求人原稿は求職者に自社の情報や魅力を伝えるための重要なツールであり、自社に応募してもらうことが最終目標となります。

 

しかし、法律やルールに則り求人原稿を作成することも忘れてはなりません。求人原稿を作成する際に注意すべき法律として著作権がありますが、この法律への理解がないまま求人原稿を作成すると、トラブルの原因となることもあります。

 

本記事では求人原稿を作成する際に著作権を侵害しないためにはどのようなことに注意すべきかについて解説しますので、参考となれば幸いです。

 

求人原稿と著作権の概略

ここでは求人原稿と著作権とはどのようなものかを理解するため、それぞれの概略について解説します。

 

求人原稿とは

求人原稿とは、企業が人材募集を目的として求人広告を実施する際に、求人媒体で公開する求人情報を記載した原稿のことです。

 

求人原稿を掲載する手段は、掲載1件ごとに料金がかかる掲載課金型が主流となっています。

 

一方、昨今では求人広告がクリックされると課金する成果報酬型、応募があった際に課金する応募課金型、入社が決まると課金される採用課金型なども増加傾向です。

 

求人媒体も求人情報誌、新聞、折込求人チラシといった紙媒体のものがある一方で、求人サイト、求人検索エンジン、SNS広告などのWeb媒体も広く普及しています。

 

求人を成功させるためには自社に合った方法や求人媒体を選ぶことが大切です。

 

著作権とは

著作権には大きく分けて財産権とも呼ばれる著作権(狭義の著作権)と、著作者人格権の2つがあります。この2つの違いをきちんと理解している方は意外と多くないと思われ、ともすると混同してしまいがちです。

 

前者の著作権は著作権者が第三者に対して著作物を利用することを許可することにより、その対価として使用料を受け取れる権利のことです。この著作権は他の人に譲渡できます。

 

一方で著作者人格権は、著作物の中で表現されている著作者のこだわり、考え、気持ちなどを守るための権利のことです。この著作者人格権は、著作物を作った人の人格を保護するためのものであり、他の人に譲渡することはできません。

 

求人原稿の記述における著作権で注意すべきこと

ここでは、求人原稿の中で著作権を侵害しないために注意すべきことについて解説します。

 

求人原稿の使い回し

自社の求人原稿を掲載するには、自社の求人サイト開設や、他の求人サービスや求人誌への掲載などの方法があります。

 

多くの媒体に掲載する場合だと自社で作成した求人原稿ではなく、求人媒体の運営元に求人原稿を作成・編集を依頼することもあるでしょう。

 

その際に注意すべきなのは、求人原稿の作成・編集を運営元に依頼した場合に、たとえ自社作成の求人原稿がベースになっていても著作権は運営元に帰属することです。

 

自社の紹介をしている求人原稿であっても作成・編集をした運営元に利用の承諾を取って使用料を支払わなければ、他の媒体で使い回すことはできません。

 

これは、掲載が終了している求人原稿でも同じです。

 

場所の名前の記載

ある程度の創作性がある建築物や場所の名前は著作物と考えられて、その建築物や場所を作成した建築家や事業者に著作権が発生することがあります。

 

例えば「最寄りに〇〇ショッピングモールがあって買い物に便利」「〇〇遊園地から徒歩5分」など特定の建築物や場所の固有名詞を使用する際には著作権を侵害しないかどうか注意が必要です。

 

建築物や場所の全体だけでなく、その一部を構成する部屋や階段なども著作物として保護されることがあります。

 

このような固有名詞を求人原稿に記載すると思わぬトラブルの原因となるため「今話題の大型ショッピングモール」「家族連れに人気の遊園地」といった程度の表現に留めるのが無難です。

 

社員の個人名の記載

求人原稿の中に社員の個人名を記載すると、名前の著作権とも言うべき氏名権を侵害してしまう恐れがあります。

 

氏名権とは、自分の名前は本人だけが排他的に自由に使えて、第三者に許可なく使われないことを規定した権利のことです。日本では法律で氏名権が明確に定義されてはいるわけではありませんが、氏名は個人として尊重される基礎であり、個人の人格を象徴する人格権の一つであると認められています。

 

社員インタビューなどで求人原稿や社内外の機関紙などに社員の氏名を掲載した場合には、本人に掲載許可を得ることが必要です。また、退職した社員の氏名を無断で使用することもできません。

 

モデルや芸能人の名前の記載

モデルや芸能人などのように社会的に知名度が高く、経済的に価値が高いとされている人の氏名は、パブリシティ権という権利によって保護の対象とされています。

 

「お店の常連である」「個人的に親しい」などの理由で勝手に氏名を使うと権利侵害になる恐れがあるので注意が必要です。

 

有名人は一個人としてプライバシーを尊重されるべきではありますが、有名人であるがゆえに一般人よりも緩く解釈されることはあります。それでも有名人の氏名は一般人と比べると特別な経済的利益を持っているものであり、当然保護されるべき対象です。

 

パブリシティ権は現在の日本では法的に定義されたものではありませんが、最高裁の判例でパブリシティ権の侵害は違法であると示されています。

 

求人原稿で使用する写真で注意すること

ここでは、求人原稿で写真を使用する際に著作権を侵害しないために注意すべきことについて解説します。

 

退職した社員の写真

退職した社員の写真も個人名と同様、無断で求人原稿やその他の媒体に掲載することはできません。

 

本人の在職中に写真使用の承諾を取っていたとしても、退職後の無断使用は肖像権侵害になる可能性があります。

 

社員の退職後も写真を使いたいのであれば、在職中にどの範囲まで、いつまで使用を承諾するかを書面で取り交わしておくと良いでしょう。

 

タレントやモデルの写真

タレントやモデルの写真も、無断使用はパブリシティ権の侵害となる可能性が高いです。

 

タレントやモデルは撮影した写真の使用を許可するのと引き換えに対価を得ており、一般の人よりも大きな影響力を持っているからこそ、その人格的利益も保護すべきとされています。

 

自社の商品や広告のためにタレントやモデルと契約をしていたとしても、求人原稿で写真を使用したい場合は、別途契約をする必要があります。

 

なお、タレントやモデルが背景の中に偶然映り込んでしまっている場合でも使用許諾が必要です。

 

キャラクターのグッズの写真

アニメや漫画のキャラクターは、その多くが商標登録されており、アニメや漫画の画面、キャラクターが描かれている商品などの写真を無断で使用することはできません。

 

使用する場合は、キャラクターの版元や原作者と使用承諾契約を結ぶ必要があります。

 

また、写真の一部にキャラクターの絵が使われている物が写っている場合は、その部分にぼかしを入れるなどの処理が必要です。オフィスや社員の写真を掲載する際は、キャラクターが写りこんでいないか確認しておきましょう。

 

まとめ

魅力的な求人原稿を作ろうと色々な情報や写真を駆使して工夫するのは決して悪いことではありません。

 

しかし、固有名詞や特定の写真には、著作権など法的な制限があります。個人的な目的で使っている限りは問題になりませんが、世間一般に広く公開するものに使う場合は必ず事前に承諾を取ることが必要です。

 

承諾を取った場合でも使用する範囲や期間が無制限となるわけではなく、一定の制限があります。

 

後々トラブルとならないよう、個人の氏名や写真を使う時は口頭でなく、書面で承諾内容を取り交わしておくようにしましょう。

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