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募集要項で年齢制限をするのはNG?年齢制限にまつわる基礎知識や例外的に認められるケースなどについて解説

今日の就職市場は流動化が激しくなっており、転職をする人の数が昔よりも増えています。総務省が2022年に調査した結果によると、968万人の方が転職を希望しているとのことでした。

 

このようななかで、より良い人材確保のために求人に年齢制限を設ける企業も少なくありません。確かに、年齢は採用選考の際に判断しやすい指標となるでしょう。

 

しかし、現在では求人をする際に年齢制限をすることは原則許されていません。

 

そこで本記事では、年齢制限にまつわる基礎知識、例外的に認められるケースなどについて解説します。

 

募集要項での年齢制限について

ここでは、求人での年齢制限にまつわる基礎知識について解説します。

 

求人で年齢制限をするのは原則NG

求人における年齢制限は、2007年の雇用対策法改正に伴い事業主は労働者の募集・採用にあたって年齢制限を設けることは原則禁止となりました。

 

これは、年齢にかかわらずに就職の機会が均等に与えられるべきであるとして、特に中高年者の就職機会を広げるとの理由によるものです。

 

募集要項に年齢制限をしていると読み取れる記載があったとしても、事業主が直ちに罰則を受けるものではありませんが、行政指導の対象となる可能性はあります。

 

募集対象年齢を間接的に伝えることはNGではない

前述したように、募集要項で募集対象年齢を記載することは禁じられていますが、年齢に関する表現を出してはいけないというわけではありません。

 

募集要項に記載する表現を工夫することで、間接的に希望する年齢層を伝えることは可能です。

 

例えば、「若手歓迎」と書くと年齢を絞る表現になりNGですが、高校生や大学生は年齢制限がないことから「学生歓迎」と書くのは問題ありません。

 

また、重量物を運搬する業務であるため「筋力や持久力のある方」との書き方や「若手社員のリーダーとしてプロジェクトを率いることができる方」などの書き方もOKです。

 

ただし、明確な表現だと求職者に誤解を与えてしまいトラブルに発展する可能性があるため、節度のある表現を心がけましょう。

 

年齢制限を設けないことによる企業側のメリット

年齢制限を設けないことは企業側にとって一定のメリットがあります。

 

具体的なメリットの例として、応募者数が増えること、欲しい人材の本質が明確になること、年功序列にこだわらない採用ができることなどがあるでしょう。応募者数については、選択肢を増やすという意味でも年齢制限撤廃の意味はあります。

 

人材の本質については前項で述べた例の場合では、年齢ではなく筋力がある人、リーダーシップのある人が本質的に欲しい人材です。募集要項には年齢ではなく本質的にどのような能力がある人を求めているのかを書くことが大事です。年功序列については、若くても経営的素質のある人材、年配でも柔軟な発想を持っているといった、年齢にとらわれない人材の発掘が期待できます。

 

募集要項での年齢制限が例外的に認められるケース

求人において年齢制限をすることは例外的に認められるケースもあります。

 

以下にどのようなケースで認められるかについて解説します。

 

定年の年齢を上限として募集するケース

定年がある会社で従業員を募集していて雇用期間に定めのない無期労働契約を結ぶ場合は、定年の年齢を上限として年齢制限が認められています。

 

例えば、定年が60歳の会社であれば60歳未満の方に限って従業員を募集することは何も問題ありません。

 

ただし、1年間のみの雇用など有期労働契約を結んで雇用する場合は例外として認められず、年齢制限をすることはNGです。また、「上限にプラスして業務の習熟に3年間必要なため、67歳以下の方を募集したい」という場合でも下限年齢を設けることはできません。

 

これは、募集している業務に関する経験を十分に持っている方が応募することも考えられるためです。

 

労働基準法等の法律で年齢制限が設けられているケース

労働基準法やその他の法令の規定によって、特定の年齢層の就労が禁止あるいは制限されている業務については、年齢制限が認められています。

 

例えばボイラーや危険物を取り扱ったりクレーンの運転や足場の組み立て・解体については、労働基準法第62条で危険有害業務として18歳未満の就労が禁じられています。また、警備員やコンビニやレストランの深夜帯勤務、パチンコなどギャンブルに関連する業務に就くことなども18歳以上でなければならないとされている業務の例です。

 

長期勤続によるキャリア形成を図る観点から若年者を募集するケース

長期勤続によるキャリア形成を図る観点での募集であれば、一定年齢以下に限って募集することが例外として認められています。これは、新卒を一括採用して長期勤続によるキャリア形成を図るという雇用慣行を尊重しつつ、雇用情勢が悪化して希望する働き方ができなかった人を想定したものです。

 

現状の雇用情勢から見て若年層に公平な雇用機会を与えるために年齢制限をするのは合理的であると考えられ、基本的には35歳未満の方を想定しています。

 

注意すべき点としては、対象者の職務経験は問わないこと、新卒者以外でも新卒者と同等の処遇を与えることの2点です。

 

なお、キャリア形成を図ることが前提であることから、即戦力となる中途採用者については年齢制限をすることはできません。

 

年齢制限にこだわらず希望の人材を集める方法

年齢制限がないと採用活動でのターゲティングが難しくなることもありますが、それでもどのようにすれば希望の人材を集められるのかについて解説します。

 

募集要項を作成する際、求める人物像を明確にする

書類選考の段階もしくは求職者が応募する段階から応募者をふるいにかけようとする場合では、募集要項を作成する際に求める人物像を明確にすることが大事です。

 

未経験者、経験者、国家資格保持者、管理職経験者など求める条件によって、募集要項に記載する情報は変わってきます。採用プロセスの早い段階で応募者を絞り込むには、自社が求める人物像を詳細かつ明確にする必要があるでしょう。

 

そのためには、自社で求められるスキルや実務経験を記載するだけではなく、自社の情報を広範かつ積極的に開示することが重要です。

 

例えば、スキルや実務経験の他にもチームワークができるか、自社のカルチャーにマッチするかといった要素を持った人だけが応募するようにできれば理想的でしょう。

 

試用期間を設け、ミスマッチのリスクを最小限に抑える

応募書類や面接での情報だけをもとに、応募者の能力や適性を十分に見極めるのは困難です。見極めが不十分だと、自社に適した人材だと思って採用しても配属した後で現場のニーズに合わず、結果として早期離職にもつながりかねません。

 

ミスマッチのリスクを最小限に抑えるには、試用期間を設けることが効果的です。試用期間は法律上解約権留保付雇用契約にあたり、試用期間中に採用候補者が不適格と判断されれば企業は解雇する権利を持っています。

 

試用期間の日数については労働基準法など法的に決められたものはありませんが、おおむね3ヶ月程度が一般的な期間です。

 

人材紹介会社の活用を検討する

質の高い求人を目指すのであれば、人材紹介会社の活用を検討することも1つの手です。人材紹介会社のエージェントに自社が求める人物像を伝えることで、効率的に質の揃った人材を探すことが可能となります。

 

また、人材紹介会社を介することで企業と求職者の間に転職エージェントが第三者として介入し、客観的なアドバイスをしてもらうこともできるでしょう。求職者に対しても、企業の良い所・悪い所を客観的にアドバイスすることが可能です。

 

ただし、人材紹介会社を介する場合でも、特別な事情がない限り明確に年齢制限を設けることは避けましょう。

 

まとめ

たとえ間接的でも年齢に制限のあることがうかがえる募集要項は、求職者にとって大きな壁となる可能性があるため、できるだけ年齢に関する表現は控えるべきです。

 

生産年齢人口が減少するなか、年齢で区切るよりも本質的な能力・資質・経験に基づいた募集のほうが、年齢の枠に収まらない優秀な人材の発掘に有利に働きます。

 

近年では求める人材の確保がますます困難になっており、採用担当者は年齢ではなく応募者の本質にフォーカスした選択眼を持つことが求められているでしょう。

 

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