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建設業は採用難なのか?建設業の採用状況、採用が難しい理由、採用を増やすためにできることについて解説

建設業の仕事は手がけたものが何十年先にも形として残るものであり、多くの人の生活を豊かにできる人の役に立つ仕事です。建設業に携わっている方はそれを誇りに持って日々業務に従事しています。

 

しかし、建設業は他の仕事では味わえない醍醐味があるにもかかわらず、世間一般の業界イメージは決して華やかではなく、建設業界と世間一般の間にはイメージに乖離があるのも事実です。今日では、建設業は他の業種と比べると採用難が続いています。建設業は社会に欠かせないインフラを構築する仕事でもあり、安定的な人材の確保が急務です。

 

そこで本記事では、建設業の採用状況や建設業で採用が難しい理由、建設業が採用を増やすためにできることなどについて解説します。

 

建設業の採用状況

建設業は慢性的に新たな人材採用の困難な状況が続いており、どの会社も人手不足に悩まされています。少子高齢化で労働人口が減少したことにより、多くの業界で人手不足の傾向が見られますが、建設業はその中でも特に人手不足が目立つのが実情です。

 

採用の難易度を測る指標として有効求人倍率というデータがありますが、建設業の有効求人倍率は国内全業種の有効求人倍率と比べると全体的にかなり高く、採用難易度の高い業界です。

 

ハローワークの発表による2023年3月時点での建設業界の雇用関連データを見ると、建築・土木・測量技術者(建設技術者)の有効求人倍率は6.55倍となっています。全体の平均が1.32倍であることを考えると、建設業の採用は厳しい状況にあるといえるでしょう。

 

建設業で採用が難しい理由

ここでは、なぜ建設業で採用が難しいのかについて解説します。

 

需要が増えて人材が不足

ここ最近では全産業の平均就業者数は大きく変わっていないのに対し、建設業界では就業者が1997年を境に減少を続けており、建設業の人材不足は深刻な状況です。

 

一方、建設業の需要そのものは拡大を続けています。国土交通省の発表によると、2023年度の建設投資は前年度比2.2%増の70兆3200億円に上る見通しで、2015年頃から毎年右肩上がりになっています。

 

しかし、1990年代のバブル崩壊や2008年のリーマンショックの影響を受けて倒産やリストラが相次ぎ、この時期に多くの人材が業界を離れてしまいました。需要は拡大しているものの一旦離れてしまった人材は戻らず、需要と供給のバランスを欠いた状態が続いています。この状態が長引くことで、1人あたりの負担が増す一方になることが危惧されています。

 

若年層が集まらない

建設業における人材不足の一つの要因として挙げられるのは、求人を出しても若年層が集まらないことです。

 

国土交通省の調査によると、建設業では29歳以下の従業員は全体の12%に留まり、全産業の約16%と比較しても少なく、2016年からの3年間だけでも約1万人減少しています。

 

現場で働く職人の人材不足だけでなく、職人を動かす若手や中堅の技術者も人材不足に陥っているのが現状です。建設業に若い人材が集まらない理由としては、根強く残っている年功序列の風潮や、仕事内容の割には賃金が低いこと、それに年齢の離れた従業員とは価値観が合わないことなどが挙げられます。

 

建設業は、このような昔ながらの習慣や風習のイメージが強く、若年層に避けられる傾向があるのです。

 

在職者の高齢化

上記で触れたように建設業では若年層の在職者が減少傾向にあり、若年層が入職しないことで在職者の高年齢化が進んでいます。

 

2021年度時点において、29歳以下の若年層が全体の12%であるのに対し、55歳以上の中・高年齢層は全体の36%です若年層の新規採用が思うように進まないことで、現在働いている中・高年齢層が長く働き続けなくてはいけない状況にあり、高齢化をさらに進行させるという悪循環に陥っています。

 

建設業界での技術を次世代に継承し将来にわたって生産体制を維持していくためには、若年層の入職促進と定着による円滑な世代交代が不可欠です。

 

ハードなイメージがある

若い方から見ると建設業の現場作業には昔ながらの土木のハードなイメージが残っているのも、採用を難しくさせている理由です。

 

建設業は重労働が多くて危険・きつい・汚いという「3K」のイメージが根強く残っています。建設業といっても、現場の仕事の他に施工管理や積算、購買などの決して3Kではない仕事も数多くあります。しかし、業界をよく知らない若者は、建設業すなわち3Kとのイメージを払拭できないのです。

 

また、建設業の現場の仕事では残業や休日出勤が多いこともあり、週休2日制ではない会社も珍しくありません。仕事の割には賃金が見合わないと、辞めていく若者も多くいます。

 

近年では、社内改革を進めて働き方を見直すとともに、マイナスイメージの払拭に取り組んでいる会社もあります。

 

建設業が採用を増やすためにできること

ここでは、建設業が採用を増やすためにはどのようなことができるのかについて解説します。

 

労働環境を整える

建設業が採用を増やすためには、長時間労働や心身の負担の高い労働環境を改善することが必要です。

 

働き方改革の一環として労働基準法が改正され、2024年から残業や休日出勤などの時間外労働時間に上限が設定されます。この法改正にいち早く対応して労働環境を改善すれば、業界のイメージも良いものへと変わっていくことでしょう。労働環境も良くなれば、女性でも働きやすい職場だとアピールしやすくなります。

 

国土交通省では「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定して建設業の長時間労働を是正するための取り組みを進めています。このプログラムは、週休2日制の促進や工期の適切な設定の推進を行っており、建設業における労働環境の整備を多面的に支援するものです。

 

採用の対象を絞る

戦力として使える人材を採用するには、採用の対象を絞ることも必要です。

 

人材不足の現状から募集要項に「若手からベテランまでどなたでも活躍できる会社です」などと打ち出す会社もありますが、これはおすすめできません。1人でも多くの人材を集めたいからといって採用の対象範囲を広げても、戦力として使えなければ意味がありません。

 

建設業の現状を考えると、採用ターゲットは、建築学部を卒業した一定の知識を備えた若年層、もしくは資格と経験を持つ40代・50代の中高年齢層のどちらかに絞るとよいでしょう。

 

資質を見極めずに採用すると、ミスマッチで早期離職する恐れがあります。応募が少なくても、採用対象を絞って戦力として長く勤めてくれる人材を探すことを優先すべきです。

 

福利厚生を整える

福利厚生を整えることも採用を増やすための大切なポイントです。競合他社と比較して福利厚生の面が整っていないと、それだけで応募対象から外れてしまいかねません。

 

福利厚生は一朝一夕には充実度を増すことは難しいかもしれませんが、一度見直して増やせる点はないかを確認してみるとよいでしょう。福利厚生が充実すれば従業員満足度も上がって離職防止にもつながります。

 

福利厚生の例として、特別休暇や住宅手当、資格取得支援、育児休暇、社外施設の割引・補助などが挙げられます。自社だけで福利厚生を改善するのが難しい場合は、福利厚生を外部企業に委託するアウトソーシングを利用するのもおすすめです。

 

スキルアップを支援する

建設業の仕事に就く方の中には、しっかり成長していきたいと考える人も沢山います。建設業では体力を使う仕事も多くあるため体力が続かないという理由で若い人材が離職しないよう、スキルアップを支援することも大切です。

 

スキルアップの機会があれば、30代を過ぎて現場を離れても別の業務にシフトすることが可能となるため、給料アップにもつながります。支援のためには、従業員に資格取得を促せるような環境を整えることが必須です。

 

資格試験を受験するには受験料を支払う必要がありますが、受験料の一部または全部を会社が負担することも有効な施策となります。資格取得の他にも講習の場を設けることや、技術を学べる機会を設けるなど、従業員のスキルアップを支援できる方法は沢山あります。

 

まとめ

建設業では離職率の増加、若者離れ、技術者の高齢化が進む一方で需要は拡大を続けており、人材不足は深刻な状況です。国をあげた取り組みもなされていますが、若年層の減少が進み第一線で活躍するベテラン勢の高齢化が進んでいます。

 

建設業の2023年1月における有効求人倍率は2022年12月と比較すると若干落ち着いていますが、それでも高い難易度で推移しているのが現状です。

 

採用を増やすためには長時間労働などの環境を改善し、福利厚生を充実させるなどして建設業の持つマイナスイメージの払拭が欠かせません。また、求人の応募が来るのを待つだけでなく積極的な採用活動をするなど攻めの姿勢も重要です。

 

建設業ならではの仕事の醍醐味を広く若い人たちに知ってもらい、将来を担う若年層の取り込みを進めることが求められています。

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