- 採用ピッチ資料
採用ピッチ資料の作成を外注する費用はいくら?外注費用を決める要素、外注費用の考え方、費用相場などについて解説
少子高齢化で生産人口が減少し、求職者の売り手市場となっている採用市場においては、企業は自社の魅力や強みを求職者に対して積極的にアピールすることが欠かせません。
自社の情報発信と言えば、会社概要や資本金、従業員数、事業内容といった株主・投資家、顧客向けの情報を発信することが通常です。
しかし、これでは求職者が本当に知りたいと思っている、リアルな情報が網羅されているとはいえません。このような問題を解決するのが採用ピッチ資料です。
採用ピッチ資料を作成するには、コストやノウハウが必要などの課題がありますが、外注による最適化ができます。
そこで本記事では、外注費用を決める要素や外注費用の考え方、外注費用の相場について解説します。
採用ピッチ資料について
ここでは採用ピッチ資料の基礎的な知識について解説します。
採用ピッチ資料とは
採用ピッチ資料とは、求職者にターゲットを絞って作成した会社説明資料のことです。
採用ピッチの「ピッチ」とはビジネス用語で短いプレゼンテーションを意味します。採用ピッチ資料では社風や文化、事業内容、職場環境、福利厚生などを掲載するほか、自社が抱えている課題についてもオープンに掲載することが多いです。この点が、会社説明資料や一般的な求人票とは大きく異なる部分となります。
求職者が気になっているリアルな情報を余すところなくオープンにして自社のありのままの姿を知ってもらい、それでも入社したいという意欲の高い人材をスクリーニングする狙いもあります。採用ピッチ資料は情報量が多いため、ストーリー性のある動画にして公開している企業も多いです。
採用ピッチ資料の記載項目
採用ピッチ資料に記載する主な項目として、まず基本的な情報は会社概要です。会社概要に記載するのは、事業内容、沿革、MVVなどです。
MVVとは、経営で実現した目標や方向性、社会に対する提供価値などを分かりやすく言葉にしたものとなります。
次に、組織概要です。組織概要では社員構成、組織、年齢層、男女比率などを記載します。
続いて、働く環境です。社内制度や人事制度・評価、福利厚生などを記載し、求職者に自社の社風や文化の理解を促します。
続いて採用です。現在募集しているポジションや業務内容、求める人物像、選考フローなど、求職者が入社後の働くイメージを掴めるように採用情報をまとめましょう。
採用ピッチ資料の外注費用を決める要素
採用ピッチ資料の作成を外注する場合には、費用を決める要素を知っておけばコストを浪費することもないでしょう。
ここでは、これらの要素について詳しく解説します。
どのような内容の資料か
採用ピッチ資料の作成を外注する場合には、どのような内容の資料にするかが外注費用を左右する要素の1つです。
自社で原稿を用意して後はテンプレートに流し込むだけなのか、調査が必要な内容なのか、専門的な知見が必要な内容なのかなど、凝った内容になればなるほど費用がアップします。また、使用目的によっても内容と費用が変わるので注意が必要です。
例えば、ビジネス職の求職者に訴求することが目的なのか、エンジニアの求職者に訴求するのかで内容・費用は変わります。そのため、採用ピッチ資料作成の見積もりを依頼する際には、その内容や使用目的について明確にすることが必要です。
採用ピッチ資料は求職者の手元に残るものであり、資料の内容や体裁を見て応募するかどうかを決める求職者も一定数います。
難易度
採用ピッチ資料を作成する難易度も費用を左右する要素の一つです。
例えば、デザインが必要な場合では、高度な知識や技術を持っていない初心者のデザイナーでもできるデザインであれば、費用に大きく影響することはないでしょう。
しかし、難易度が高く高度な知識や技術を持ったベテランデザイナーでなければできないデザインであれば、その分の人件費がかかる可能性が高いです。また、採用ピッチ資料に記載する記事の専門性の高さによっても費用が左右されます。
例えば、特定のテーマに沿った内容にしたければ、そのテーマに関する専門知識を持っている作業単価の高い人でなければ資料を作成できません。結果として、難易度が上がり費用が高くなります。
枚数
採用ピッチ資料は、掲載する内容が多岐にわたります。そのため、平均的なものでもスライドは30枚以上となるでしょう。
作成する採用ピッチ資料の枚数が増えるほど、費用も高くなります。費用を抑えるには、枚数を減らす方法が考えられますが、求職者に伝えたい大事なページまで減らしてしまっては意味がありません。
採用ピッチ資料の本来の目的を念頭に置きながら、訴求したいコンテンツを盛り込むとどの位の枚数になるのかを明確にしておくといいでしょう。これを怠ると正確な見積金額を得られず、発注先を選ぶのに差し障りが出てくるだけでなく、採用ピッチ資料完成後にトラブルの元になります。
採用ピッチ資料の外注費用の考え方
採用ピッチ資料の作成を外注する際には、企画構成が決まっているかいないかで費用の考え方が変わってきます。
ここでは、以下にそれぞれのケースについて解説します。
企画構成が決まっている場合
企画構成とは、目的や求める成果、伝える内容、伝えたい相手、伝える順序、デザインのトーン、全体のボリュームなど、資料の根幹となる要素です。
上記の要素が明確に決まっていれば、資料制作代行会社としてもどのように作成すればよいのかが判断しやすくなり、費用を抑えられる可能性が高くなります。あらかじめ自社が思い描いているデザインのイメージを伝えたり、どのページにどのようなコンテンツを入れるかを明示したりすれば、作業効率が高まってさらなる費用抑制も期待できるでしょう。
ただし、ブランディングを意識して手の込んだイラスト作成を依頼などすると、デザイン費が割増となる可能性があります。
企画構成が決まっていない場合
例えば特定の職種を採用ピッチ資料のターゲットとする場合では、自社の何をアピールすればターゲットに伝わりやすいのか、どんな情報を載せれば効果的なのかが分からないこともあるでしょう。
このような場合では、資料作成代行会社に企画構成の段階から検討を依頼することになります。企画構成費用はデザイン費とは別途にかかる場合もあれば、ページ単価に上乗せされる場合もあり、資料作成代行会社によって対応が異なるものです。親切な資料作成代行会社であれば、ヒアリングをしたうえで目的に合った提案をしてくれたり、コンセプトから一緒に考えてくれたりすることでしょう。
対応してもらう範囲によって費用が大きく変わるため、要望や予算から見積もりを出してもらえば費用のイメージが掴みやすくなるでしょう。
オプション
多くの作成代行会社は、基本料金とオプション料金を分けて設定しています。そのため、費用を確認する際は自社が求めている作業内容を理解することが大切です。
イラスト作成は別途費用の場合もあると述べましたが、それ以外にもオプションとなるサービスは色々あります。
例えば、アニメーションの追加や複雑な図表の作成、写真・動画撮影、資料を使ったプレゼンの練習指導・アドバイス、データ納品や大幅な修正などはオプション扱いとなっていることが多いです。他にも、公開後の更新などのアフターサービスについても、基本料金に含まれている場合もあればオプションとなる場合もあります。
会社によってオプションの有無や範囲が異なるため、金額で揉めないよう契約前に費用の見積りを確認するといいでしょう。
採用ピッチ資料を外注する際の費用相場
採用ピッチ資料の作成を外注する場合の費用は資料作成代行会社によって差がありますが、大まかな費用相場は次の通りです。
- 企画・構成:5万円~10万円
- テンプレート作成:5万円~20万円
- ページデザイン:1万円~3万円程度 / ページ
上記の相場を基にして仮に30枚の採用ピッチ資料を外注する場合、企画・構成からページデザインまでは40万円以上となります。
テンプレート作成とページデザインのみを外注する場合は35万円程度、ページデザインのみを外注する場合は30万円程度です。
なお、一般的な作成納期は10日から2週間程度ですが、追加費用を支払うことでより短くできる場合もあります。
まとめ
採用ピッチ資料は自社の認知度向上、求職者のスクリーニング、採用ミスマッチの防止、面談・面接の効率化、相互理解の促進などさまざまなメリットがある資料です。
また、既存の従業員も採用ピッチ資料を読むことで、企業理解が深まり共通認識を持つことにつながります。ただ採用ピッチ情報は会社の情報を多く盛り込むためページ数が多く、1つの採用ピッチ資料を社内で作成するのに2~3ヶ月を要することも珍しくありません。また、ストーリー性を持たせて作成しないと見にくく乱雑な資料になってしまうため、作成にもノウハウが必要です。
社内の人的リソースを圧迫することなく効果的な採用ピッチ資料を作成したい場合、外注がおすすめです。外注の費用対効果を考えても、十分にメリットはあると言えるでしょう。