- 採用活動のコツ
採用サイトのデザイントレンドや訴求力を高めるコツを徹底解説!
採用サイトでは、自社が求める人材に対する訴求力の高いデザインを導入する必要があります。いくらコンテンツが充実していても、操作性などが悪いとせっかくサイトを訪れてくれた求職者がすぐに離脱してしまいかねないからです。
そこで、デザイントレンドの把握が、確度の高い採用サイト構築に向けたキーファクターになってきます。トレンドを押さえた質の高いデザインは、今や競合を凌ぐ魅力的なサイト制作になくてはならないものなのです。
本コラムでは、採用サイトのデザイントレンドや訴求力を高めるコツを徹底解説していきます。貴社における、採用サイトづくりの一助にしていただけたら幸いです。
「採用サイトのデザイントレンド」重要度を高めてきた背景
企業による採用活動の成果は、デザイントレンドを踏まえた採用サイトを構築できるかがカギを握ります。
ここでは、なぜ採用サイトの構築に際してデザイントレンドの把握が重要になってきたのか、その背景を3段階に分けて探っていきましょう。
求職者の多くは採用サイトから企業情報を収集している
採用サイトとは、企業が制作する採用活動に特化したWebサイトを言います。新卒・中途募集の求職者に向けて、自社の企業理念や仕事内容、給与条件やキャリアパスなどの情報を集約して発信するのが一般的です。
インターネットの普及に伴い、求職者の多くが採用サイトを企業情報の収集窓口として活用するようになってきています。そして、繰り返し採用サイトを訪れる中で企業に対する理解を深め、志望度や入社意欲を高めていくのです。
こうした現状が「いかにして求職者にとって読まれやすい採用サイトを作っていくか」ということの採用活動における重要性を高めることになりました。充実した採用サイトの制作がターゲット人材からの応募増に欠かせないのだという認識が、多くの企業で共有されつつあります。
ターゲットに刺さるデザイン性の高い採用サイトづくりが求められている
では、求職者に読まれやすく充実した採用サイトとは、どのような採用サイトでしょうか。
求職者の多くが採用サイトを通じて一番知りたいのは、応募要項だけでなく、働きがいに直結する社風や待遇、福利厚生などのリアルな情報です。そのため、採用サイトづくりでは、まずは自社に関するこうした情報を網羅したコンテンツを用意する必要があります。
とはいえ、コンテンツの充実だけで求職者の心をつかむことはできません。一見してダサかったり、知りたい情報にスムーズにアクセスできなかったりする採用サイトでは、企業に対する印象が損なわれること必至です。結果として、求職者が応募を止めてしまうケースも多々出てくるでしょう。
中小企業を中心に、人手不足が続く時代です。採用活動でも同業他社との競争は熾烈を極めることになるでしょう。ターゲット人材からの応募を増やすためには、コンテンツの充実と同じくらい、デザイン性が高く訴求力のある採用サイトの構築が重要です。
デザイン性向上に向けてトレンドの把握が欠かせなくなっている
いくらデザイン性が高い採用サイトであっても、新卒をはじめとする若い世代の求職者に魅力的に感じてもらえなければ、応募につながる高い訴求効果は期待できません。彼らの心をつかむためには、見映えや操作性の高さを生み出すデザイン技法のトレンドをよく知っておくことが大切です。
採用サイトづくりはふつう、企業の人事部門主導で進めていきます。とはいえ、Webサイト制作スキルやデザインノウハウに長けた人材が乏しいケースもあるでしょう。その場合には、コーポレートサイトを制作・運用するマーケティング部門の力を借りるのもおすすめです。
AIによる自動Webデザイン技術が急速に進化しています。将来的には、採用サイトのデザイン構築の多くをAIが担うことになるのかもしれません。しかし、現時点ではまだ、人間のデザインスキルが必要です。把握したトレンドは、ナレッジとして企業内で共有・蓄積していくべきでしょう。
ここまでで、なぜ採用サイトの構築に際してデザイントレンドの把握が重要なのかがよくお分かりいただけたことと思います。
次章からは、採用サイトのデザイントレンドについて、サイト構築の際に役立つ技法に焦点を当てながらみていきましょう。
「採用サイトのデザイントレンド」5つの最新技法
若い世代が情報発信のターゲットとなる採用サイトでは、トレンドを的確に押さえたデザイン構築がことのほか重要です。
ここでは、近時高い注目を集める5つの新しい技法の紹介を通じて、採用サイトのデザイントレンドを明らかにしていきます。
ファーストビューデザイン
ファーストビューデザインとは、スクロール操作しない状態で表示される範囲のWebサイトのデザインのことです。自社について、訪問ユーザーがまず初めに目にする情報になります。サイトに対して抱く第一印象を決めるファクターになり得るため、魅力的なデザインであることが大切です。
ファーストビューデザインでは、企業の特徴や強みが簡潔に伝わる、訴求力の高いキャッチコピーの創造も欠かせません。デザインの魅力と掛け合わされることで、ターゲットとなる求職者にピンポイントで刺さる印象的なメッセージとして機能するでしょう。
ページスピードの速さも大切です。読み込みに時間がかかるほど、ユーザーの直帰率が高まります。読み込みスピードが4秒遅れると直帰率が90%上昇する、というGoogleの調査結果もあります(Think With Google)。アイキャッチ画像の圧縮など、ページの最適化が求められます。
スクロールエフェクト
スクロールエフェクトとは、文字通りスクロール操作により生じる視覚的な効果のことです。パララックススクロール、要素のフェードイン・フェードアウト、スクロールと連動するアニメーションなどの技法がこれにあたります。
スクロールエフェクトの活用により、Webサイト全体に立体感や奥行きを生み出せます。スクロールに合わせた要素の段階的な表示は、求職者がコンテンツを理解する役にも立つでしょう。さらに、ユニークなWebデザインや創造的な視差効果は、採用ブランディングにもつながります。
一方で、ページの読み込み速度に注意すべきは、ファーストビューデザインの場合と同様です。複雑な仕様にすると、パフォーマンスに悪く響きかねません。加えて、過度の使用は、多くの場合ユーザーに疲れや不快感を与えます。GUIを踏まえ、適度かつ適切な箇所で用いることが大切です。
マウスオーバーエフェクト
マウスオーバーエフェクトとは、Webサイトの特定の位置にマウスカーソルが置かれた際に起こる視覚的な効果を指します。テキストや背景の色が変わる、下線がひかれる、より細分化された項目を示すテキストが表示されるなど、ユーザビリティを向上させるイベントが生じるのが一般的です。
マウスオーバーエフェクトは、求職者の採用サイト滞在時間の伸長に役立ちます。マウス操作という自身の行為によりWebサイト上のデザインに変化がもたらされるというインタラクティブな体験が、自ずと求職者の興味を惹くためです。サイト内行動における自発性も高められるでしょう。
ただし、SEO的観点からは、マウスオーバーのみでの重要情報やリンク先アドレスなどの提供はおすすめできません。検索エンジンのクローラーは、マウス操作がもたらす効果までは読み取れないからです。ユーザーと検索エンジン、どちらにも評価されるデザイン構築を目指しましょう。
タイポグラフィアニメーション
タイポグラフィアニメーションも、近時活用例が増えているアニメーション効果の1つです。これは、文章を読みやすく見せるデザイン手法であるタイポグラフィの概念をアニメーションとして表現する技法になります。
タイポグラフィアニメーションは、言わば「文字のアニメーション」です。文字のフォント・大きさをナレーションや効果音に合わせて変えることで、静的な文字情報よりも印象深く、伝えたいメッセージをユーザーに届けられます。
採用サイトの究極目的は、ターゲット人材からの応募の獲得です。どんなに自社に関する情報が網羅されていても、まずは読まれなければ始まりません。質の高いタイポグラフィアニメーションにより、自社の魅力を求職者の感性に視覚的に強く訴えかける効果が期待できるでしょう。
アイソメトリック
アイソメトリックの技法で描かれたイラストを取り入れる採用サイトが増えています。アイソメトリックとは、立体物を俯瞰視点から見せる製図法です。日本語では「等角投影法」と呼ばれます。
アイソメトリック活用のメリットは、平面でありながら奥行きや立体感のあるWebサイトにできることです。箱庭的な世界観による、コミカルで親しみやすい雰囲気を創出できます。動画化も可能で、2.5Dとも言われる良質なコンテンツを、3Dに比べ低コストで制作できるのも魅力です。
こうしたアニメーション効果やイラストの実装により、採用サイトを訪れた求職者の心を早い段階でグッとつかむことができます。ただし、流行りものほど時期が過ぎればダサ見えになりがちです。自社採用サイトでの必要性や有効性を考慮して、活用すべきかを決めましょう。
「採用サイトのデザイントレンド」訴求力向上への3つの視点
単にトレンドに追随しているだけでは、自社が求める人材に刺さるデザインの採用サイトを作れるとは限りません。ターゲット人材からの応募を1つでも多く獲得するためには、マーケティングやSEOの観点から確たる裏付けのある、訴求力の高いデザインのサイトにすることが重要です。
ここでは、近時の採用サイト制作でとりわけ欠かすことのできない「ブランディング」「SNS連動」「モバイルファーストインデックス」という3つの視点について、順に解説していきます。
ブランディング
流行の最先端をゆくデザインが、必ずしも自社の特徴や個性を体現するとは限りません。近時は、採用ブランディングの視点に立った採用活動が主流化しています。採用サイトについても、自社の企業イメージや世界観にふさわしいデザインを心がけ、ブランディングの向上に努めることが大切です。
シンボル化されたコーポレートカラーやロゴマーク、キャッチコピーなどがある企業であれば、それらを採用サイトのデザインにも積極的に取り入れましょう。サイトを訪れた求職者に対して、自社の企業理念やブランドイメージを効果的に訴求することが可能です。
自社が求める人材は、多くの場合、競合他社のターゲットでもあります。差別化に向けては、まずは充実した独自コンテンツの作成が大切であるに違いありません。そして、ブランディング意識の高いデザインの導入により、ビジュアル面でもターゲットに刺さる採用サイトにできるでしょう。
SNS連動
SNS利用の浸透に伴い、ソーシャルリクルーティングによる採用活動が本格化しつつあります。SNSの特長を活かした、双方向的な、かつリアルタイムでのやりとりが可能になる採用手法です。採用コストの削減、求職者との接点・コミュニケーション手段の多様化などの効果が期待できます。
ソーシャルリクルーティングの成果を上げるためには、SNS連動に適したデザインの採用サイトにすることが大切です。近時のトレンドとしては、採用サイト内のコンテンツをSNSで拡散したり、サイトの更新をSNSで知らせたりする機能の搭載が挙げられます。
SNS連動デザインは、こうしたSNSを補助的に活用するものだけではありません。たとえば、企業や社員のやり取りに関する動画のSNS配信です。求職者が企業の特徴や社内の雰囲気をリアルに感じ取れ、企業にしても等身大の姿を即時かつ多数の求職者に向けて伝えられるメリットがあります。
モバイルファーストインデックス
採用サイトでは、モバイルファーストインデックス(MFI)、すなわちスマホユーザーの利便性を優先したデザインも大切になってきます。求職者の中核を占める若い世代の多くが、スマホを使って採用サイトにアクセスしてくるからです。
採用サイトデザインに関するMFI施策は、「UI/UX」と「サイトレスポンスの向上」の視点から進めていくとよいでしょう。PCに比べ限られた画面サイズでの見やすさや操作性の追求、遅延がサイトからの離脱につながることがデータからも明らかなページ表示速度の最適化が特に重要です。
SEOとしてのMFIの重要性も忘れてはいけません。Googleが公式に検索順位決定プロセスにおけるモバイルユーザー重視の姿勢を打ち出したのは、2018年3月のことです。スマホ利用に適さない仕様の採用サイトだと検索順位が低下し、結果として自社情報を求職者に届けられなくなります。
「採用サイトのデザイントレンド」3つの構築方法
採用サイトのデザインを構築する主な方法は、次の3つです。
・自社制作(CMSを活用する)
・自社制作(採用サイト作成ツールを活用する)
・外注(Web制作会社に依頼する)
それぞれメリット・デメリット、費用感などが異なるため、自社に合ったものを選ぶことが大切です。
以下、順に説明します。
自社制作(CMSを活用する)
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の活用により、採用サイトの構築や更新を自社貫徹で、かつ効率的に行えます。直感的に扱える操作性やクラウド上でのデータ保存により、作業の省力化や情報共有の円滑化が可能です。サイト構築にかかるコストの削減にもつながります。
一方で、描けるサイトデザインの自由度は下がります。Web制作の素養が要らない分、ありきたりのテンプレートを使わざるを得ないといった、機能面での制限がかかるケースが多いためです。独自性のある採用サイトにするのは、一般に難しいでしょう。
セキュリティリスクも無視できません。CMSはサイバー攻撃に晒されやすいシステムです。採用サイトでは企業や社員に関する情報を扱うため、セキュリティ対策の最適化が必須となります。定期的なシステムの更新やデータのバックアップなどが確実に実行できる体制を構築しましょう。
自社制作(採用サイト作成サービスを活用する)
採用サイト作成サービスを活用する手もあります。採用サイト作成サービスとは、企業の求人情報を広く知らしめるための支援ツールや機能を提供する、採用サイト特化型のサービスのことです。CMSと同様、上手に使えば効率的かつ低コストで、自社に合ったデザインの採用サイトを作れます。
提供される支援ツールや支援内容は、サービスにより一様ではありません。クラウド展開する有料の採用管理システムの一機能として、採用サイト作成支援が実施されるケースは多いです。一方で、Web制作初心者でも扱いやすいテンプレートが無料公開されていることもあるでしょう。
採用サイト作成サービスは、Web人材に乏しく、採用コストにも敏感な企業におすすめのプラットフォームです。とはいえ、無料のツールだけで訴求力のあるデザインにするのは簡単ではありません。効果的な活用に向けては、必要性やかけられるコストを事前によく見極めることが大切です。
外注(Web制作会社に依頼する)
自社制作が難しい環境にあれば、Web制作会社への外注が残された選択肢になります。Web制作会社の中には、ECサイトやコーポレートサイト、プロモーションサイトやサービスサイトなどのWebサイト全般の制作を行っているところも多いです。
Web制作会社に依頼することで、採用サイト制作における自社社員の負担を大幅に軽減できます。企画段階で自社採用活動のコンセプトや必須要件を提示したら、以後のフローのほぼ全ては制作会社の仕事です。豊富な専門知識を背景にした、質の高い採用サイト構築の委託が期待できます。
デメリットは、コストの高さです。予算10万円~50万円程度のメニューだと、概してテキストベースでパターン化された個性に欠けるサイトにしかなりません。デザイン面でも訴求力のあるサイト制作を依頼するためには、50万円~150万円、もしくはそれ以上の費用がかかるのが実情です。
まとめ
トレンドを踏まえた魅力的なデザインの導入により、多くの求職者の目を惹く採用サイトを構築できるでしょう。とはいえ、採用活動の究極目的は、入社後自社に貢献する確度が高い人材の獲得にあります。採用ブランディングの視点から、ターゲットに特に刺さるデザインを心がけることが大切です。
魅力的で訴求力のあるデザインづくりに向けては、サイト構築方法の選定も疎かにはできません。自社制作が難しい場合には、かけられるコストの範囲で最も訴求効果の高いデザインづくりを任せられる外注先に、サイトの構築を委託するとよいでしょう。