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景気回復と人手不足が同時進行するホテル業界!採用サイトを制作する5つのポイントを解説
2023年1月に水際対策が緩和され、訪日外国人の数は、新型コロナウイルス感染前の約6割程度まで回復しました。国内旅行客も2022年に9割程度(2019年比較)回復し、ホテル業界では、景気回復の兆しが表れ始めています。
その一方で、ホテル業界の人手不足はコロナ以前から深刻です。採用サイトから応募者数を増やすには状況を理解し、適切なコンテンツを制作する必要があります。
この記事では、ホテル業界が人手不足に陥っている原因と、それを踏まえた採用サイトの制作ポイントについて解説します。
ホテル業界の採用状況
コロナ制限の緩和でビジネスチャンスが訪れているにもかかわらず、ホテル業界は人手不足と高い離職率に悩まされて、思うように事業を拡大できずにいます。
ここでは、ホテル業界の採用状況について解説します。
訪日観光客の受け入れ再開で景気回復の兆し
2020年新型コロナウイルス拡大による各国の入国制限に伴い、これまでインバウンド需要の恩恵を受けていたホテル業界も大きな打撃を受けました。
しかし、その後、2022年6月から制限付きで外国人観光客の受け入れを再開し、2023年からは、ほぼ全ての国の入国制限が解除されています。これにより、訪日外国人の数は、新型コロナウイルス感染拡大以前の約6割(150万人)まで回復しています。
国内需要も活発化しており、観光庁の宿泊旅行統計調査によると、2022年の日本人による宿泊数は4億3396万泊に達しました。これは、コロナウイルス拡大前の2019年と比較して、9割以上の水準です。
訪日観光客の解禁・国内需要の活発化を受け、ホテル業界には景気回復の兆しが表れています。
有効求人倍率は約3倍
景気が回復する傾向にある一方で、宿泊業の採用は依然として他業界に比べ、難しい状況にあります。
令和5年厚生労働省の発表では、全業種の有効求人倍率が1.19倍であるのに対し、宿泊業の有効求人倍率は3.27倍でした。これは、1人の求職者に対し、3つの求人がある状況です
このような採用難易度の高さは、今に始まったことではありません。宿泊業の人手不足はコロナ前から深刻です。
国土交通省が発信している「令和3年度 地域における観光産業の実務人材確保・育成事業」によれば、2015年(平成27年)から2019年(令和元年)までの宿泊業・飲食業の有効求人倍率も3倍を超えています。

なぜ、コロナ前からこんなにも有効求人倍率が高いのでしょうか?
その一因として、宿泊業で働く人の離職率の高さが挙げられます。
新卒3年以内の離職率は50%以上
ホテルスタッフの離職率は他業界よりも高く、新卒で採用しても2人に1人は3年位内に離職してしまいます。厚生労働省が令和2年3月に公表した調査資料には、宿泊・飲食業における大卒者就業者の3年以内離職率は51.4%、新規高卒就業者では62.6%にも上ることが記載されています。

ホテル業界では離職率の高さから、なかなか人手不足を解消できません。雇用に至ってもすぐに人員が抜けてしまうため、何度も求人を出さざるを得えない状況です。
このような悪循環が、ホテル業界の有効求人倍率を引き上げる一因となっています。
ホテルスタッフの退職理由
ホテルスタッフの退職理由としては、次の5つが挙げられます。
・給与が安い
・労働時間、拘束時間が長い
・休みがとりにくい
・職場での人間関係
・キャリアアップができない
厚生労働省発表の令和4年賃金構造基本統計調査によると、一般労働者の平均年収が374万1600円なのに対し、宿泊業・飲食サービス業の平均年収は308万8800円とあります。ホテルスタッフは他職と比較し、給与が低い傾向にあります。
労働時間や拘束時間が長く、体力的な問題から退職する人も少なくありません。また、宿泊施設の常として土日祝日が繁忙期になるため、家族や知人友人と休暇を共にできないこともしばしばです。
仕事では個人よりチームで成果を上げることが求められるので、職場での人間関係を良好に保つことが必須になります。一部では年功序列が根強いとされ、キャリアアップに対する不安から離職する方もいます。
まとめると、給与の割りに労働負担が大きく、キャリアップの見通しも立ちにくい、というのがホテル業界の離職率が高い理由のようです。
求職者がホテル業界に感じる魅力とは?
離職率が高い一方で、ホテル業界に憧れを抱く人は決して少なくありません。
求職者がホテル業界に感じる魅力としては、次の4つが挙げられます。
・お客様と楽しい時間を共有できる
・非日常的な空間で働ける
・高度な接客スキルが身につく
・語学力を活かせる機会が多い
人が楽しむ時間をサポートすることで喜びを共有できるのが、接客業の醍醐味といえます。
家族旅行やお祝いなど特別な理由で利用されることが多いホテルは、そのような機会に恵まれた職場です。
また、職場となるホテル自体に愛着を持つ人もいます。特別な日を演出するために作られたホテルの内装は、美しく華やかです。非日常空間で働けることは、一般職にはないモチベーションになります。
加えて、仕事を通して身に付く接客スキルも人気です。ホテル業はお客様のニーズに応えるため、コミュニケーション能力や問題解決力、柔軟な対応力など総合的な接客スキルが要求されます。仕事範囲が広く、接客時間も長いため、接客業の中でも特に高度なスキルが身に付く傾向があります。
語学スキルを高められることも、志望動機としてよく挙げられます。例えば、英語は必修科目ですが、活かせる仕事の割合は高くありません。ホテル業であれば、外国人のお客様との交流・接客を通してコミュニケーションを取るので、学んだ語学スキルを磨き続けることができます。
就職希望者にとってホテル業は、一般職にはない特別感と成長機会がある仕事だと認識されています。
ホテル業界の採用サイトを制作する5つのポイント
ホテル業の採用サイト制作では、求職者がホテル業界に抱いている不安を緩和しつつ、独自の魅力をアピールしていくことが大切です。ここでは、そのためのポイントを5つ紹介します。
新卒・中途ごとに訴求できるコンテンツを作成する
幅広く人材を求めるためにも、新卒・中途ごとに訴求できるコンテンツを作成しましょう。
例えば、未経験者であればホテル業界の持つ特別感や成長機会に惹かれる人が多いはずです。ホテルのビジュアルや研修制度の詳細、未経験で入社した先輩社員のエピソードやインタビューなどを記載することが重要になるでしょう。
一方で、経験者であれば、前述した退職理由でホテル業界から離れていた可能性が高いです。給与や労働環境の不安を解消するため、キャリアパスや昇進の仕組み、現場社員のインタビューなどを記載することが重要になります。
求職者を一括りにするのではなく、採用ターゲットごとに訴求できるコンテンツを作成することが大切です。
成長イメージや昇進が明確になるキャリアパスを提示する
ホテル業はチームで接客を行う仕事です。求職者の中には、個人がどのように評価されているか分かりづらく、どんな功績を上げれば昇進につながるかが分からない、という方が少なくありません。
このような不透明感は、将来的な離職につながります。キャリアパスに人事評価の実例や基準などを記載し、成長イメージや昇進を明確にしましょう。
不安材料である給与・休暇制度の明確化する
ホテルスタッフの退職理由としてよく挙がるのが「給与が低い」「休みがとりにくい」など待遇面での不満です。このような不安材料を取り除くためにも、給与・休暇制度を明確に記載しましょう。
特別な休暇制度や福利厚生がある場合や、有給消化率が高いなどの実績がある場合はそれもアピールします。年収のモデルケースを記載しておくのも効果的です。
価値観を共有するための企業理念を提示する
ホテル業はチームで仕事をするため、他職以上に価値観の共有が重要になります。仕事にやりがいを感じ、高いモチベーションを維持してくれる人材を集めるためにも「社長の挨拶」などのコンテンツを通じて企業理念を提示しましょう。
ホテルと一口に言っても、旅行休暇を楽しんでもらうためのリゾートホテルから、式典など特別なイベントにふさわしい高級ホテルまで様々です。求職者にどのような接客が求められるか具体的にイメージしてもらうためにも、企業としての考え方や方向性を示すことが大切です。
ホテル自体の魅力を視覚的にアピールする
ホテルのコンセプトを視覚で理解してもらうためにも、ホテルの外観や施設の写真を掲載しましょう。
例えば、採用サイトに「海辺に立つホテルの外観」や「海が見えるレストラン」の写真が掲載されていれば、文章を読まずともリゾートホテルを運営している企業だとわかります。
また、ホテルの魅力的なビジュアルは、非日常的な環境で働きたいと考える求職者に好印象を与えます。応募者数を増やすためにも、ビジュアルコンテンツを積極的に活用することが重要です。
まとめ
ホテル業界で働くのは大変ですが、一般職にはない魅力があります。採用サイトでは不安要素を解消しつつ、その独自性をアピールできるコンテンツを制作することが重要です。待遇や特別感をアピールして、応募者を集めましょう。
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