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デザイナーなら知っておきたい色の知識【色彩心理学編】

史上最大のゴールデンウィーク、10連休が終わり早一ヶ月…。早くも夏休みが待ちきれないSPCデザイナーAです。 
日本人である私たちが一般的に抱くとされる色への意識、赤は情熱、青は冷静、緑は安らぎといった具合の色彩心理学。 
色彩心理学をもとにコンセプトメイクする事は良くある話で、当然私もこれをベースとした趣意のもとデザインを制作する事もあります。 
が、グローバルな視点で考えた時、これが必ずしも当てはまらないのは当然の話で、国や地域によってその捉え方は様々です。 
今回は日本と海外での色彩感覚の違いを紹介しつつ、異なる文化的傾向を考慮した色彩心理学のあれこれを認めたいと思います。 
 

感覚の違いの例(食)

※イメージ

日本での食欲がそそるとされる色は赤をはじめとした暖色系やオーガニック色とされ、逆に青や紫などは食欲を抑える効果があるとされます。しかし異なる文化圏の感覚はまた少し違うようで、この日本の感覚だと当てはまらないケースが出て来るようです。
 

※イメージ

とある街頭インタビューで、日本人とアメリカ人に対し、青色に着色されたカレーの写真を見せてそれぞれに『食べたいか』『食べたくないか』を調査した所、日本人の大半の反応は『食べたいとは思わない』と答えたのに対し、アメリカ人の人は『面白い、食べてみたい』という反応が多かったという調査結果になりました。
この感覚の違いを繙いた、アメリカの大学の研究結果がありましたのでご紹介します。
※今回この内容をブログに書くためにどこの大学の誰の論文だったか再度調べ直そうとしたのですが結局見つけられず、裏を取れませんでした。
まず、我々日本人が慣れ親しむ日本食は薄味なのに対し、比べてアメリカ人の食事は濃い味の文化が前提にあります。
そして、潜在意識の中で『配色の濃いもの=味が濃い』という感覚が働くようで、アメリカの人は濃い色味の食べ物に食欲が沸く傾向にあります。
更に着色料に対し日本では抵抗があるのに対し、アメリカの文化圏はそこまで抵抗もないため、青色でも見た目で美味しそうと思うんだそうです。
 
逆にアメリカ人にとって食欲を阻害する色は黒とされ、肉食の文化である事から『焦げ=害』の感覚になるようです。
日本から海外に渡った寿司が、アメリカに渡り愛されるまでになった昨今ではありますが、カリフォルニアロールのように海苔が内側に巻かれ黒く見える部分が無くなる見た目になった見栄えの変化の理由も頷けます。
食品関係のデザインの仕事を承る時、ターゲットを海外にも向ける必要がある場合はこういった認識がある事を意識してデザインする必要があります。
 

感覚の違いの例(文化的傾向)

※イメージ

例えば『赤=情熱』と日本では言われていますが、中国の場合は『赤=幸福の色』とされています。
数年前、中国人観光客が日本にたくさん訪れた『爆買いブーム』がありました。その当時私もその中国人観光客をターゲットにした広告を制作した事があるのですが、デザインは全て中国人の方に好まれる配色の『赤』と『金』を使用したのを覚えています。
 

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また、とある企業の案件に携わった時に伺った話で面白いケースがありました。
その企業の日本での作業着は『緑』のものを着用しているのですが、海外支店だとその作業着は『ベージュ』のものを着用するそうです。
その理由は、ある文化圏において『緑』は一般的に男性が身に付ける色とされずLGBTの方が着用する色とされ、誤認される可能性があるとの事で作業着の色を変更したそうです。
このように文化的に日本とは違った配慮が必要なケースなどもある事を覚えておきましょう。
 
このような事から、地域や国によって好みや感覚の違いは起こります。中国では赤が幸運の色とされ好まれますが、タイなどでは黄が幸運の色とされ好まれたり、日本では『ピンクチラシ』の言葉通りエロスをピンクで表現する事が多いですが、アメリカでは紫だったりと、結果として我々の知る一般的な色彩心理学が全てではないケースが出てきてしまいます。
デザイナーはそのターゲットを理解し、その感覚値に合わせたものづくりを行う事が求められます。
Webサイト制作においては、外国人ユーザー向けであったり、越境ECなどはその対象となり得ますので、制作の際は意識して臨むようにしましょう。
 
次回は文化や環境によって変化する見え方や感じ方の違いの話を認めていきたいと思います。
ご期待ください。

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