#Webデザイン
デザイナー同士が衝突する理由

はじめに

こんにちはディレクターのTです。

今回私がずっと疑問に感じていた、「デザイナー同士が衝突する理由」について考えた事をお話したいと思います。

1.誰もが良いデザインを作りたいと考えている。

世の中にいる「デザイナー」や「ディレクター」、デザインに関わる全ての人は少なからず【良いデザインを作りたい】と頭の中で考えているものだと思います。

それなのに何故衝突し、「これは良い」「これは悪い」と感覚に差が生まれるのでしょうか。

私はずっと疑問でしかたがありませんでした。

私の今まで出会ってきたデザイナーやディレクターは以前当社の記事でも紹介された事のある→いいデザイナーは知っている心理学を学ぶ!読んでおくべき本5選の【誰のためのデザイン】を読み、他にも様々な著書を読み進めデザインに携わる人たちです。

つまり、同じ著書を読んでいるのだからその著書に出てくる基本的な概念や考え方、デザインは何の為にありどのようにデザインすべきかという土台の考え方は同じはずです。(今回は概念については割愛します)

つまり、最低限デザインはこうあるべきだ!というものは答えが存在し、それに乗っ取ってデザイン業務に携わっているのです。

しかし出来上がった作品を見ると驚くほどその人の「個性」が表現され全く同じものが作られる事はないのです。

2.なぜ同じデザインが作られないのか

上述した通り同じ前提で取り組み始めたデザインが同じものに仕上がらない理由は、「あらゆる視点で物事を捉え、デザインしているから」です。

あらゆる視点というのは、人間中心のデザインを念頭に置き、色彩学からのユニバーサルデザインの目線、Google推奨のマテリアルデザインやSEO対策での目線、マーケッターからの「(例)モノが出来上がる過程を取りいれると売れる」などの戦略導入時にそれを魅せる為のデザイン、クライアントが求めるデザイン、ユーザービリティを重視したデザインなど、より掘り下げるとそのユーザーがそのデザインを認識するまでに見てきた景色やその時の感情までを捉える視点もあり、そこに携わる人をどれ程まで分析しデザインしているかという事です。

この視野の違いや、考え方の違い、そのデザインに携わった人の数や経験の数で重きを置くポイントが違う為同じデザインは生まれないのだと考えています。

3.「このデザインが良い」という自分ルールは一度捨てる

デザインを始めてまだ間もない頃は「かっこいいデザインをしよう」や「なんかいい」という理由のみでデザインをしていた人が多かったと思います。(私はそうでした)

実際、今でも私は「なんかいい」という感覚は必要だと考えていますが、それは人ぞれぞれで答えのないものです。

例を上げるのであれば、「優しい人が好き」「強引な人に惹かれる」とかそういうものだと思います。

100人100色あるこの漠然としたデザインの感性に対して「どれがいいデザインか」と捉えるという事は「どの人が素敵な人なのか」答えを出すようなものであり、それは人それぞれです。

また、自分が「良い」と感じた事には必ず反対意見が存在します。「優しい人がいい」という意見には「優しすぎるとダメ」といった意見が存在するようなものです。

現代は情報化社会が進みあらゆる知識をネット上で調べられる為、自分の知りえなかった情報に触れると感銘を受ける事も多いでしょう。

しかし、その情報は他者も手にしている事を念頭に置き、まずその事実を疑い、反対側の意見や「今回の案件でそれは最適であるか」を考えるべきです。

そうでなければ「全ての案件に対して同じ答えが出る」摂理になります。これならAIに取って変わる単純作業に他なりません。

私たちはあらゆる情報を学び「自分で考え」他者と意見を交換し、デザインするべきだと思うのです。

つまり他者との意見交換をスムーズに行う為には、自分の中にあるルール(価値観)(「私はショートヘアが良いと思う」「私はロングヘアーが良いと思う」など)は一度捨て、相手の考えを聴いた上で自分の考えを伝えるべきだと思うのです。

4.ゴールを達成するためのツールがデザイン

上記の通り答えのないデザインそのもので衝突するのではなく、そのデザインを通して「ゴール」を達成できるか否かを議論するべきなのです。

今回の例をそのまま引用するならば、「優しい人を紹介してください」と要望を出してくるのがクライアント。(クライアントは自分の息子の結婚相手を探している)

クライアントのいう「優しい人」のイメージがどういったものなのか吸い上げ分析し、優しい人(デザイン)を紹介し、そのクライアントの息子と「付き合っていただく」事。この「付き合っていただく」という事がゴールです。

このゴールを達成する為に、「優しい人」の見せ方を様々な視点から考え、一番このゴールに近づいた優しい人(デザイン)を提案できた者が正解でありゴールなのです。

ここでいう「優しい人の見せ方」で一つの例を上げるなら、「目が優しく口調が柔らか」というストレートな見せ方もありますが、「見た目は恐いが話すと朗らか(ギャップ効果で優しい印象をより訴求できる」などの捻った見せ方もあるでしょう。

つまり、なぜそのデザインをしたかという問の答えの最後には「ゴールを達成する為」もしくは「ゴールにより近づける為」と考えている事が必須になると思うのです。

最後に

衝突する事は新しいデザインが生まれるきっかけになるので、私は良い事だと思っています。

有難うございました。

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