#Webデザイン
企業ロゴ制作で押さえておきたい知識と教養(前編)
デザイン

新年度が始まり早2ヶ月、半袖で十分快適に過ごせる日もあれば途端に肌寒い日もあり油断大敵な今日この頃。
いかがお過ごしでしょうか…。どうも、SPCデザイナーAです。
弊社でお仕事を承る際、企業サイト制作と合わせて企業ロゴなども合わせて制作してほしいという依頼が
まれにあったりします。
最近は制作ツールなども身近に扱えるようになったことで、一般の方でもロゴをデザインするような事は容易いです。
しかしながら、造り手の知識などが不足していてどうしても素人っぽかったり、多少見た目は良くても“?”な
ものになっていたり、、、そういったものを見た時に、この職を多少経験している私からすると多少思う事もあったり…。
そんな折もあり、今回は企業ロゴ制作をする際に押さえておきたい知識や事柄などを認めていこうと思います。
(個人的な思考も少し含みます)
 

はじめに:企業ロゴが何たるか意味を理解する

企業ロゴとは、まさにその企業がなんたるかを象徴するものです。
したがって、制作する前にしっかりと企業理念文化特色社風など
CI(コーポレートアイデンティティー)を理解して表現する必要があります。
理解した上で、企業の独自性優位性、他社との差別化を考え
CC(コーポレートカラー)などを構築しながら形成していきます。
その上で、弊社の場合はWebサイトとともに制作することが多いですが
企業ロゴですので、チラシ、パンフレット、名刺などの紙媒体に始まり
看板や広告、動画、単色印刷など、媒体を問わずあらゆる使用目的を想定する必要があります。
また、新しくロゴを生み出すわけですから、企業の成長性などを意識しつつ継続的に使われるデザイン
そして、一目でつたわる視認性造形性記憶性オリジナリティを考えて制作してあげることが望ましいです。
と、簡単に言葉にしてみてもなかなか伝わりにくいので
ポイントとなる事柄を既存のロゴなどを用いつつ、回数を分けて説明していきたいと思います。
 

時代的なデザインの傾向と求められること

説明しやすいように今回はApple Inc.(Apple Computerなど創業から現在までに名前変わってたりします)の
ロゴを用いて、その時々のデザイン傾向を説明していきます。

創業時(1976年)のロゴ

当然ながら創業年代が古ければ古いほど、ロゴを変更していく回数も可能性も高いわけですが
例えばこのAppleでいえば、創業当初のロゴ1976年のもの、ニュートンがリンゴの木に腰かけている絵の模写が表現されています。
が、こちらのロゴは果たして前途に記載していた事柄が踏まえられたデザインになっているでしょうか。
一番引っかかってきそうなポイントは、あらゆる媒体へ想定されたデザインになっているのか、例えば
このロゴが製品の一部に掲載されていたとして、どんな大きさでもそれと認識できるのか。…少しネックがありそうですよね。
このロゴは創業メンバーのロナルド・ウェインという方が考案していますが、やはり元々デザインに精通していた方ではない
作り手のものと個人的に思ってしまうものです。
これを見てよろしくないと思ったスティーブ・ジョブズ(創業メンバーの一人)が、ロゴの変更に動きレジス・マッケンナ社の
ロブ・ジャノフ氏(アートディレクター)にロゴのデザインを依頼することになったそうです。
結構経歴の長い企業はこのようなケースを見て取れて面白く、個人的にキヤノン株式会社のロゴの変化などは面白いです。
興味があれば一度“Canon ロゴ”で検索してみてください。Canonの由来が分かります。
 

1977年時のロゴ

翌年、新しいシンボルとなった新しいデザインは一遍してリンゴの形だけで形成されています。
フィボナッチ数列を用いたバランスの黄金比で形成されているなど多々言われていますが
実際はそのようなことを考慮して制作されてはいないようです。しかしながら、やはりそのバランス感覚を
持ち合わせた人物が制作していることが伺えると言えます。
“コンピューターを暖かく親しみやすい存在にしたい”という想いを込めて、鮮やかでカラフルな配色となっています。
年代的な背景を考えると、この時代は印刷技術の発展もあり中間色なども多用され始め、様々なものが艶やかに表現できるようになった頃です。
またAppleで言えば1985年頃に広告で画家のアンディー・ウォーホルがロゴを描くなどして話題になったりもしました。
変更当初は左側にAppleの文字が付いていたりもしていますが無くなります。
基本的に日本の企業ロゴは必ずといってよいほど文字で企業名が入りますが、アメリカのロゴなどは
シンボルマークのみの企業などが多々あります。Appleはその形だけで分かるってこともあり通用するのもありますが
NIKEのロゴなど、正式なものはシンボルだけです。言わば、その歴史と製品の知名度が世間に知れ渡って成せるものとなると思います。
また、中国のロゴ事情は動物を用いるケースが多いようです。
 

1998年時のロゴ

Appleは1998年にiMacを発売したのですが、そのタイミングを通じてロゴも変更されています。
iMacは当時のコンピューターらしからぬ半透明で丸みを帯びたディテールはデザインとしてもインパクトがありました。
そのあたりから、時代的に物体のリアル化が進みます。Photoshop 8.0あたりからの機能でシャドーやハイライト、
エンボスなどの表現が容易にできるようになったこともあってか、2Dをより質感やリアリティのある表現
なされるものづくりが進みます。
 

2006年頃から現在のロゴ

リアリティの時代から一遍、フラットで端的なデザインになっています。
昨今よく言われるフラットデザイン志向に時代は進みます。なぜ、時代がリアルから端的に向かうのか。
理由の一つは情報収集端末の小型化が上げられます。
過去のマス4媒体と呼ばれていた時代はテレビ、ラジオ、新聞、雑誌が主な情報収集先となっていたわけですが
最近はケータイ端末、スマートフォンサイズでそれらの情報は全て得られる時代となったわけです。
いわば、掌サイズでも鮮明で動きの中でも認識できる環境を考えた時、視認性は保たれ認識できることが重要になってきます。
ひと昔前、最小サイズは大体名刺サイズに掲載することを想定することが多かったですが
昨今は16px四方でも認識できるのが優れている一つの基準となります。
理由の二つ目はユニバーサルデザインへの意識の高まりが上げられます。
グローバル化の流れが進み、ありとあらゆる人種の方が簡単に情報を収集できるようになったことで
その分色々な方の見られ方を想定しなければなりません。そうなると視力の悪い人や色弱者の人にも伝わる
ものづくりが求められるようになります。
弊社内でも「最近フラットデザインが流行ってるから~」みたいな話をよく耳にしますが
作り手としては、そういった本質的な部分を抑えた上で、提案できることが望ましいです。
 
 
今回は外的要因の傾向、時代に求められる事柄をメインに説明しました。
当然ですが、制作意図で意識しなげればならないポイントはこれだけではありません。
合併や企業の方針転換、内的要因なども理由にした変更はあるわけで
コンセプトメイクなどの観点で注意する事柄を次回書きたいと思います。
ご期待ください。

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