#Webデザイン
取り扱い注意、気を付けたい類似すると危険なデザイン
デザイナー

いやはや、ワールドカップ楽しかったですね。
無類のサッカー好き、SPCデザイナーAです。
少し前ですが、サッカーの応援で使用されたフラッグのデザインが政治的な意味合いや差別を助長する意味として問題になったことがありました。
フラッグを制作した当事者は、元となったデザインの意味も特に理解せずに、なんとなく格好良かったからそのデザインを模写して制作したそうですが、結果的には無知なことと軽率な行動から大きな問題になり、該当チームが応援の規制をするなどの措置も取られました。
サッカーの応援に限らずですが、デザインによって実は危険だったり人を不快にさせる意味合いと取られるケースがあります。
今回はそんな表現の一例を紹介していきますので、ウェブサイトやロゴ、公共の目に触れるものを制作するデザイナーは特に知っておきたい事柄になります。
 
 

放射・集中線(旭日旗)

私もデザインするときに背景に使うこともありますが、放射・集中線を使ったデザイン。良く目にしますが、扱い方によっては注意が必要です。
旧日本の旭日旗を連想させるような表現になってしまうと、近隣諸国の人が見たときに、侵略国の象徴と捉えられたり差別と判断され不快に感じさせてしまう可能性があります。
表現的には物凄くポピュラーですが放射線を細かくしたり、曲線にしてみたり、色合いを気にしてみたり、少し工夫して酷似しないようにしましょう。

 

ハーケンクロイツ(鈎十字)


ハーケンクロイツはドイツで民族主義運動のシンボルとされ、ナチズムやネオナチのシンボルとも見なされることがあります。
SSのイニシャルでロゴを制作するときなどは注意しましょう。
 

ブラッド&オナー(血と名誉)


ブラッド&オナーは、音楽を通じて極端な右翼イデオロギーに人々を惹きつけようと活動してきたSkrewdriverのボーカル、イアン・スチュワートが共同創設者のスキンヘッド団体で、ドイツではこのロゴの掲出は罰せられます。
 

第3SS装甲師団 トーテンコップ(髑髏)


SSトーテンコップはドイツで伝統的に用いられている髑髏を模った紋章で、主にナチス・ドイツ時代の親衛隊の帽章として知られています。
 

ケルト十字


ケルト十字はケルト系キリスト教の特徴的なシンボルでケルト美術の主要な一部ともなっています。
この意匠は、アイルランド十字やアイオナ十字とも呼ばれ「白人の文化的優位性」のシンボルとされています。
 

ヴォルフスアンゲル(狼用の罠)


ヴォルフスアンゲルは、もともとは狩猟用具でしたが、「防衛と抵抗」の意味として右翼では使用されています。
「ヒトラーユーゲント」や「青年戦線」といった禁止団体に関する表現ですのでヴォルフスアンゲルの掲出は罰せられます。
 

ルーン文字のSS


国家社会主義体制でのホロコーストに関与した親衛隊が、ユニフォームに身に着けるバッジとして使用していました。
 

アイアンクロス


もともと陸軍賞でしたが、ナチス時代にはハーゲンクロイツと関連して授与されていました。右翼では、これをナチス時代の象徴として用いられ、ハーゲンクロイツと合わせて扱う場合だとドイツでは罰せられる表現となります。
アイアンクロスはメタルやバイカーのシーンで人気があるデザインですが、こちらは国家社会主義を思想とするものではありません。
 

ブラック・サン


円状に並んだ12個のルーン文字のSまたはハーケンクロイツと解釈されます。
 

ルーン文字のオダル


ルーン文字のオダルもナチス時代、ヒトラーユーゲントや親衛隊によってバッジとして用いられました。
 

トリスケル(三脚巴)


トリスケルはハーケンクロイツと類似しており、右翼の間でもしばしば用いられます。また、禁止団体「ブラッド&オナー」のシンボルとしても使われています。
 

歯車

歯車は労働者階級の象徴、最大のナチス団体であるドイツ労働戦線のエンブレムとして用いられました。
 

ルーン文字の生と死


この2つのルーン文字は世界中の様々なネオナチ団体によって用いられています。
 

ハンマースキンズ

ハンマースキンズは、1988年に形成された白人至上主義の団体を表すマークです。
交差したハンマーのマークは、国際ネットワークにおける労働者階級の起源を象徴していて、人種差別主義者で暴力的な「全世界の白人全国的な力」を結集することを目指している象徴として映ります。
 

ホワイトパワー


ホワイトパワーという用語は、「黒人に対する白人の優位性のための戦い」の総称として、右翼団体で使用されています。
米国における黒人の市民権運動に根ざす、世界的な運動の象徴になるので気を付けましょう。
 

まとめ

数字の並びでも88が“ヒトラー万歳”を意味(SSに似ているからとかではなくHeil HitlerのイニシャルのHがアルファベットの8番目であることから来ているらしい)していたり、同様の理由で18“アドルフ・ヒトラー”や、28が“血と名誉”などの意味合いがあったりするようです。
私たちデザイナーは、普段“パクリ”の中でデザインをすることは無いですが、意図せず酷似してしまったり違った意味合いに受け取られたりといったリスクを抱えていることを忘れてはいけません。このようなリスクがあることを理解した上で、責任を持ったデザイン制作をおこなっていきましょう。

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