導入

2019年4月1日から「働き方改革」の関連法案の一部が施行され、多くの企業にとって重要な経営課題の一つとなっています。日本の労働力不足を背景としたこの施策は、企業の長時間労働や正規・非正規の格差是正、働き方の多様化促進など、従業員にとってのメリットが多いように見えます。しかし、それらの課題に対応することは経営体質の強化にもつながるため、企業としても意義のある施策といえるのです。ここでは、働き方改革と採用サイトの関連について解説します。

今後の人材活用につながる「働き方改革」とは

日本は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く人のニーズの多様化」などに直面しています。「働き方改革」は、この課題解決のための施策で、企業の労働環境を改善することを目指しています。また、労働制度の抜本的改革、さらには企業文化や風土も含めて変えようという試みでもあります。

働き方改革がめざすもの

日本の総人口は2008年以降減少し、15～64歳の生産年齢人口も減っています。このため、これまでの経済力を維持するためには、生産性を向上させる必要があります。

これまで日本では長時間労働が慣習になっており、それに適応できない人が労働市場から排除され、労働参加率が低迷していました。また、出産や育児によって一度職を退くと再就職などが困難な状態だったため、出生率の低下を招くという問題もありました。

働き方改革の目的は、勤労者にとっての働きやすさを実現することです。そのため、多様で柔軟な働き方を選択可能な社会にすることが重要とされています。

労働力＝従業員を増やすには

企業にとって労働力不足は深刻な問題です。とりわけ労働人口が減少している現在では、採用した人材に長く働いてもらうことが重要です。一方、時間とお金をかけて採用した人材が、早期に離職してしまう現象に悩む企業も少なくありません。十分な労働力を確保するためには、採用ミスマッチを防ぎ、入社後の定着率を上げることが大切です。

採用活動で「働き方改革」をアピールする重要性

特に若い世代の求職者は、職場を選ぶ条件として、給与などの待遇面以上に、自分にとっての働きやすさを重視する傾向が強くなっています。そして企業にとっても、彼らの希望に応えていくことには大きな利点があります。

ワークライフバランスを重視する求職者

ワークライフバランスを一言で言うと「仕事と生活の調和・調整」です。健康的な生活の確保や、自由な時間や家族との交流時間を重視する労働者が増えており、企業としても重視すべき内容です。一方、仕事以外の時間が充実することで仕事への意欲も増す、という企業側にとっても好ましい循環ともなりえます。具体的には、フレックスやテレワークを導入することで働く時間と場所に柔軟性を持たせたり、産休・育休・介護休暇などの制度を整えたりすることで、一時的に仕事を離れても退職することなく継続できる環境を提供することなどがあげられます。

人材を確保したい企業

2030年には労働力が600万人以上不足とする調査もあり、多くの企業にとって人材確保は喫緊の課題となっています。企業としてはこの働き方改革を一つの機会とし、多様な働き方を促進する必要性があるといえるでしょう。決まった時間に決まった場所で勤務する働き方が成果に直結するわけではありません。柔軟で多様な働き方が認められれば、労働参加率が向上し、多くの優秀な人材を活用することで、労働生産性の向上につながるでしょう。
[show_next]2.採用サイトで「働き方改革」を伝えることには意味がある[/show_next]