導入

新型コロナウイルスの影響もあり、新卒採用市場においても大変動が起きています。例えば、これまで学生に人気がある就職志望業界として航空業界が有名でしたが、現在では順位を大きく下げています。では、アフターコロナの今、新卒学生に人気が高いのはどの業界なのでしょうか。また、なぜ人気なのでしょうか。この記事では、採用・就職市場で今勢いがある業界とその理由についてご紹介します。

コロナ禍でも新卒学生に人気の業界は？

株式会社ディスコが2022年新卒予定学生を対象に行った「2020年11月後半時点の就職意識調査」で、志望業界が「明確に決まっている」と答えた割合は27.3%に上ります。前年同期調査の数字（22.0％）より5.3ポイント上昇し、学生も現在の情勢を読み、素早く動いていることがわかります。では、人気上位の業界を具体的に見てみましょう。

情報技術

コロナ禍でテレワークなど企業業務のオンライン化が一気に進行したことで、情報技術産業の業績は好調を続けています。情報技術と言っても様々な分野がありますが、特にWebサービス系の企業が学生にもなじみ深く人気のようです。高度なスキルを持った情報技術者の需要はさらに高まることが予想されるため、今後も盛況でしょう。

コンサルティング

特に高偏差値の学生に近年人気を誇っているのがコンサルティング業界です。平均年収が高く、優秀なイメージも強いため、チャレンジ精神の強い学生には人気が高いのかもしれません。昨今は多くの業界でDX（デジタルトランスフォーメーション）が推進されている背景もあり、特にITコンサルタントは需要が高い職種と言えるでしょう。また、コンサルタントは社内外の経営層と一緒に仕事を進める機会も多く、業務を通じて知見やスキルを高めたり、人脈を作ったりすることができるので、転職市場でも強いとされています。ただし、企業によってはかなりのハードワークが強いられ、規模感の大きい案件も多いので、自身の資質とミスマッチしないか、よく見極めておくことが大切です。

水産・食品

水産・食品業界は、必ずしも華やかなイメージではないかもしれませんが、根強い人気があります。世の中や人の役に立ち、堅実な産業であること、また食に貢献したいことなどが主な理由でしょう。この業界でもバイオテクノロジーや各種製造フローがIT化しているため、若い力が求められています。

銀行

銀行業界はマイナス金利政策による収益力低下や、特に地方で経済停滞による与信費用増加・人口減少・高齢化での利益減少など、厳しい環境に立たされている業界の一つです。とはいえ、こうした現状であっても銀行業界は人気が高く、手堅く安定しているイメージが強いようです。なお、銀行業界でもITやICTの活用などテクノロジー化、手続きなどの電子化が進んでいます。

建設・住宅・不動産

景気の影響は強く受けますが、確実に需要があり比較的安定していると思われるのが、建設・住宅・不動産の業界です。専門的な知識・資格・技術・センスなどが要求されます。さらに詳しく見ると、中でも特に大手デベロッパーの人気が高く、安定性のある大企業志向が依然として強いようです。
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