今年に入り、「書籍全体の売上が雑誌全体の売上を上回る」という、出版業界にとってはセンセーショナルなニュースが飛び込みました。そんな昨今の雑誌離れ・活字離れに比例するように、出版業界は大不況に陥っています。そうなると出版業界には、仕事がなくなった編集者やライターが大量に溢れ出し、新たな仕事を求め、Web業界・IT業界へと続々と進出してきているのが現状です。
では、そこで問題です。
出版業界出身の編集者やライターは、即戦力としてWeb業界で活躍できるのか?
答えは「ノー」です。
それは、Webライティングは、通常のライティングとはまったく異なるベクトルで書かれており、出版出身者は、書き方が分からないからです。
「Web業界で転職活動をしているのに全然内定がもらえない」と悩んでいる出版業界出身のアナタ。
出版業界独特の固定概念は捨てて、Webライティングを勉強するのことをオススメします。
これを読めば何かしらヒントが隠されているかもしれません。
目次
1. Webライティングとは
では、Webライティングとは、いったいどのようなライティングのことを言うのでしょうか?
一言で言うと
「検索エンジンからの新規読者を獲得するライティング」
のことです。
アナタがインターネットで検索をするとき、何かに興味があったり、調べたいことがあるから検索しますよね?なので、検索結果で上位に露出できるような記事が書ければ、検索エンジンからの多くの新規読者を獲得できるようになるわけです。サイト全体のSEOはもちろんですが、個別の記事に対してもSEOテクニックを使用することで、多くのユーザーが見込めるようになります。
2. Webライティングの重要性
では、なぜここまでWebライティングが重要視されているのでしょうか?
それは、現在のWebサイト集客の主要な方法が、コンテンツマーケティングやコンテンツSEOがメインとなっているからです。ちなみに、コンテンツマーケティングとは?で検索をしてみると、
「価値のあるコンテンツを断続的に提供し続けることで、ユーザーに興味や関心を抱かせ、結果として売上げにつなげるマーケティング戦略のこと。何度も購入する優良顧客を育てるためには、サイトを訪問したくなる優良コンテンツが重要となる」
といった内容が書かれていると思います。要約すると、良質なコンテンツを作り、集客するマーケティング手法のことなのですが、逆に言うと、検索エンジンのGoogleが、良質なコンテンツを高く評価しているということにもなります。
2013年8月に実装され、2013年9月に発表された「ハミングバードアップデート」によりGoogleは、検索順位を決める際に、コンテンツの質そのものを重要視するようになったと言われております。検索順位決定について、それまでの被リンクの質やページランクなどの外的要因の重要度が大幅に下がり、良質なコンテンツを作るサイトが検索エンジンの上位に表示されやすくなったのです。
3. Webライティングと通常のライティングとの違い
検索エンジンのメインとなるGoogleは、検索結果に関するメカニズムのすべてを公開しているわけではありません。しかし、いろいろなアップデートの結果やさまざまな公式見解から、効果があると考えられる処方も存在します。ここでは誰でも簡単に実施できる「キーワード対策」をベースにWebライティングと通常のライティングとの違いを検証してみたいと思います。
3-1.キーワード対策について
記事に対してユーザーがどのような言葉で検索してくるのか?をきちんとイメージし、キーワードを文章内にバランスよく配置する。それがキーワード対策です。そのなかでも重要となるのがやはり「タイトル」となります。
- キーワードがきちんとタイトルに入ってるか?
- 1記事に対して1テーマになっているか?
- タイトルの文字数は28文字前後を目安にしているか?
SEO的には、上記がポイントとなります。ですが、通常のライティングでは、キーワードを入れることを意識しながらタイトルを考えている人はあまりいないと考えます。それよりも、タイトルだけでいかに記事の要点を伝えられるか?いかにインパクトのあるタイトルをつけられるか?ということを中心に考えるからで、キーワードを最も重視しているわけではないからです。
3-2.ファーストビュー(リード文)について
ページの上部に重要なコンテンツが配置されているかどうか?
を検索エンジンは重視する傾向にあります。見出し直下の「ファーストビュー」と呼ばれる部分にキーワードが含まれているかどうか?が重要な要素となってきます。これはSEO的にはとても重要なことなのですが、通常のライティングでは、リード文にキーワードを入れることを意識して書いている人は少ないと考えます。それは、内容を伝えることはもちろんですが、書き手の主観を中心に読者を引き込めるような文書を制作する傾向が強いからです。
3-3.文章について
SEO的には、キーワードの数よりも、キーワードがどこに配置されているか?が重要になります。
- リード文に配置
- 段落の最初の方に配置
- 段落の最後の方に配置
- 最後のまとめの段落に配置
SEO的には、上記4ヵ所にキーワードを配置するのがベストです。ですが、通常のライティングでは、特にそこまで意識してキーワードを配置している人は少ないと考えます。それは、通常のライティングでは、「極力同じ言葉は使わず、同じ意味を違う言葉で言い換える=ライティング力」というベクトルがあり、同じ言葉(キーワード)を反復して使用するのはナンセンスとされているからです。
4. 最後に
Webライティングでは、いくら良い記事を書いても、検索エンジンに読まれなければ意味がありません。逆に言うと、検索エンジンに認識される記事がWebライティング的には良い記事とされる=その文章の評価となるのです。Web業界・IT業界でのライティングでは、SEO対策を意識しながら、より良い記事(コンテンツを)作りましょう。