ECコラム

UXを意識したECサイト制作

UI・UX
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【はじめに】ECサイトにおける「ユーザーエクスペリエンス」とは

ECサイトにおけるユーザーエクスペリエンスとは、ユーザーの体験(UX)と言い換えると
ECサイトユーザーが享受する、買い物にまつわる全ての体験と考えることができます。

ただし、ユーザーエクスペリエンスを高める、と一言で言っても、その内容は
①UIが見やすく、ストレスフリーによる満足
②欲しい情報がすぐに取得できることによる満足
③お得な情報やクーポンを多く提示してくれることによる金銭的な満足

など、多くのパターンが考えられます。

そのため、サイトの構築時に一番考慮すべき点は
ターゲットの顧客がどのような購買行動をすると予想されるのか、そのためにどのような体験を提供すると購入してもらえるのかを念頭に置いた導線設計だと言えます。

例えば、商品Aを売り出すためにECサイトを構築する場合、
仮にその商品自体が世間に広く普及されていないのであれば、知名度を上げ、ユーザーに使用イメージが浮かぶようにするところに注力しなければいけません。
逆に商品Aが日常的に溢れているものであれば、競合が多数いることが想定されるため
いかにお得に手に入れられるかを訴求すべきでしょう。

 

この記事では、“ECサイトにおける良いUX”をユーザーパターン別に分析します。

 

 

【考察1】実際の店舗の有無によるUXの変化

ECサイトではなく、その商品を売っている実際の店舗が存在するか否か、という点もサイトのUXに大きく関わる点です。
これによってユーザーの求める満足度の内容が異なるということを事前に予測できるからです。

 

実際の店舗が存在する場合のユーザーエクスペリエンス

 

サイトユーザー振り分けフロー01

 

まず、実際に店舗が存在する場合のユーザーの心理は、

「店頭よりも安い価格である、または店頭まで足を運ぶという労力的、時間的コストのカット」
と予想することができます。
実際の店舗が存在するにもかかわらずECサイトからの購入を選ぶという事は、
・時間的理由
・金銭的理由
このどちらかの可能性が高いからです。

この場合、訴求すべきものは
・ユーザーが求める商品の見つけやすさ
・商品の値段(またはクーポン)
が有力です。

また、実際の店舗が存在する場合は実際の店舗との接客の差異も満足度に影響を与える要因となります。

 

例えばユーザーAが掃除機を買おうとしています。
店頭でも販売していますが、赴くのが億劫であり、なおかつサイト販売のほうが価格が安かったため
サイトでの購入を検討していたとします。
このケースの場合、店頭では掃除機の「吸引力」や「重量感」を肌で感じることができますが
当然のことながらサイト上では不可能です。
よって店頭で購入するユーザーとの情報量の差異を防止するため、これらの情報をサイト上に
見やすく配置してあげる必要があります。
吸引力などは数値での明示が困難な為、動画などを使用して理解してもらうのがわかりやすいでしょう。

 

 

実際の店舗が存在しない場合のユーザーエクスペリエンス

 

サイトユーザー振り分けフロー02

 

次に、実際の店舗が存在しない場合です。
このケースは

・そもそもサイト販売しか存在しないので選択肢がない(商品に形がない場合も含む)

というユーザーがメインとなってくる為、「店舗が存在する場合」と比較すると
訴求ポイントが非常に幅広くなります。
また、対象ユーザーも一気に拡大します。
そもそもサイト販売しか存在しない=商品を見たことすらないというユーザーも数多く存在するため
商品に対する知識が浅いことも十分に考えられます。

この場合は、いかにスムーズに商品にたどり着くか、よりも

・いかに商品を魅力的に見せるか
・いかにユーザーに商品の使用イメージをつかんでもらうか
を訴求すべきと言えます。

実際の商品の写真をリアルに見せ、(形が存在する場合は360度でも良いでしょう)
サイズ、質感、選ぶ種類の豊富さをユーザーに訴えかけます。

 

【考察2】購入する商品があらかじめ決定しているかによるUXの変化

上記2点目「実際の店舗が存在しない場合」の対象ユーザーがあまりに幅広すぎるため、更に細分化します。

 

ある程度購入商品の概要が決まっている場合

 

サイトユーザー振り分けフロー03

 

店舗が存在しないのにもかかわらず購入商品が決まっている、ということは大半が「ジャンルは決まっている」というユーザーです。
例えば、
・会議中の写真素材を探している
・海外の〇〇ブランドのアイテムが欲しい(日本に店舗がない)
などがこれに当たります。

ある程度商品が絞り込めているユーザーに対しては、いかに選ぶ楽しさをUXとして提供するかが大事です。
1画面で数点しか比較できなければ複数ページ遷移に対するストレスの原因となってしまいますし、
種類の提示がなければ強制的に少数の中から選ばなくてはいけなくなります。

 

商品が決まっていない場合

 

サイトユーザー振り分けフロー04

 

こちらはそもそも「需要に気付いていない」という可能性が大きいです。
大まかな概要も絞り込めていないため、必然的にサイトの回遊時間は最も長くなります。

・自分に合った商品があるのにまだそれを知らない
・目的はあるけれど、そのためにどの商品を使用したら良いかわからない

通常店舗であれば、店員に対して状況を説明し、それに対して最適解である商品を店員に教えてもらうという流れになりますが
「店員がいない」というECサイト最大の特徴が一番デメリットとして響いてしまうのがこの層です。
一定の時間内に納得できる商品が見つけられなかった場合、ユーザーは探すのをやめて離脱してしまうことが多いです。

 

 

【結論】考慮すべきUXの2パターンとは

 

ここまでのユーザーパターンを考慮すると、ECサイト構築時に考慮すべきUXは

・探している商品にすぐ辿り着くことができ、なおかつその場所でお得な情報がすぐに取得できる満足感
・目的はあるがそれを達成するための商品が曖昧なユーザーへの、曖昧箇所が明確になる満足感

大まかにこの2パターンに分析できそうです。

 

リアルな接客に近づけるために(Web接客ツール)

上記2点の満足度を実現するためには、

・いかに情報を効率よく取得できるか
・いかにユーザーの迷いを解決できるか

というポイントが重要となってきます。

店頭であれば、これらの作業は全て店員が請け負うため特に考慮する必要はないのですが
ECサイトではこの“店員が存在しないデメリット”をいかに解決するかに注力する必要があります。

そこで実際の接客になるべく近づけるために有用なツールとして、Web接客ツールがあります。

ショップ店員イメージ

Web接客ツールとは、リアルでの接客と同様に各ユーザーに合わせたコミュニケーションを実現するという概念のもと作られたものです。
一口にWeb接客ツールと言ってもその種類は様々で、サイトを回遊しているユーザーを手助けするものや商品をカゴに入れたまま離脱することを防止するものなど目的に合わせて使い分けることが重要です。

 

例1)仮想の店員としてユーザーに寄り添うもの

サイト上においてユーザーが持っている疑問をその場で解決することは、離脱率の防止に大きくつながります。
Web接客ツールにはチャット型というものが存在し、一定時間ページに留まることで自動的に起動しユーザーの相談に乗ることができます。
回答手段もシステム化するものや、実際にオペレーターが存在し手動で返信するものなど様々です。

 

例2)ターゲットに合わせた接客ができるもの

サイトに来訪しているユーザーの特徴を分析し、その層に合わせた接客を提供できるものも存在します。
複数回訪れているユーザーにはクーポンを表示する、初めて訪れたユーザーには会員登録ボタンをポップアップさせる、等が可能です。
パターン化ではなくそのターゲットに合わせた接客を提供することで、より売り上げアップを狙うことができます。
カゴに商品を入れたままページを離脱しそうなユーザーには、ページ遷移の前に注意喚起のアラートを表示させる、というのは既によく使われているイメージではないでしょうか。

 

 

 

 

【その他】満足度の高さだけでUXの向上は図れるか

では、単純に顧客満足度を上げるという点を達成すれば良いUXに結び付くのでしょうか。
“いかに良い点が多いか”という指標に対し、“いかに悪い点が少ないか”という失望指標という考え方があります。

「失望指数」とは、「該当企業・ブランドを利用した際に幻滅・がっかりするような経験をどの程度したか」によって算出される指標です。

引用元:http://blog.fides-cd.co.jp/article/448924669.html

勿論マイナス点を測るものなので、失望指数が低ければ低いほど高評価ということになります。
この“失望指標”によって順位付けすると、上位層に通販会社が多くランクインしているのです。

もともとECサイトは対人におけるデメリットが一切存在しない為、この失望指標が低い傾向にあると言われています。

この上位層にランクインしているサイトを見てみると、どれも“悪い点を減らす”という部分に特化しています。
商品画像を大きく用い、なるべくテキストを減らして視覚で訴えかけるデザインが流行している中

・カートへの追加ボタンを見つけやすく
・十分な商品説明のテキストを掲載する
・値段、配送日などの重要情報を読みやすく

など、なるべくユーザーにストレスを与えない設計になっていることが特徴です。

上記のような“ターゲットを絞り込み、受け入れられる満足感を提供することで売り上げアップを目指す”という方針が使えない場合は、このような視点からサイトを構築するのも一手と言えます。
想定ユーザー層の幅が広い場合にはこちらを意識すべきです。

 

 

 

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