ECコラム

Z世代が訪れるECサイト制作のコツとは?
Z世代の特徴なども紹介

ECサイト制作

2020年代の今、若者を占める「Z世代」と呼ばれる言葉をご存知でしょうか。Z世代がこれからどんどん市場における購買層の主力に加わってくるため、彼ら彼女らに向けたマーケティングに本腰を入れて取り組む必要性が日に日に高まっています。そこで、今回はZ世代の特徴を踏まえつつ、Z世代が訪れるECサイト制作のコツについて解説していきます。

 

今までとは価値観などが異なるZ世代とは

ここでは、今までとは価値観などが異なるとされるZ世代の概要や特徴にまず触れ、続いてZ世代へマーケティングを展開するメリットを考えていきます。

 

Z世代の概要

Z世代とは、米国で生まれた特定の世代を指す呼称です。一般には1990年代後半~2000年代生まれを言います。1960~1974年生まれを意味するX世代はもちろんのこと、1つ前の世代である1975~1990年代前半生まれのY世代を上回るデジタル技術への親和性の高さを持ち合わせているのが特徴です。

 

Z世代によく見られる特徴

インターネットやスマホが存在して当たり前の時代に生まれ育ってきたデジタルネイティブであるため、様々なSNSを駆使するなど、多方面からの情報収集能力に長けます。興味関心の追求により育まれた個性の尊重、流行や時代の変化への感度の高さも特徴です。

 

物心ついた時からバブル崩壊後の低成長時代に生きているため、身の丈に合った生活を志向するリアリストでもあります。実用性や経験に重きを置く「コト消費」を好む一方で、ブランドにこだわった「モノ消費」にはあまり関心を持ちません。

さらに、人権意識の大切さや頻発する自然災害の恐ろしさを幼いころから身をもって学んできていることから、ダイバーシティやインクルージョン、サステナビリティといった社会・環境問題への意識や関心の高さも際立ちます。

 

Z世代へマーケティングを展開するメリット

以下に列挙する3つのメリットから、Z世代独自のマーケティングは欠かせない取り組みであることが分かります。

 

1つ目は、ダイレクトマーケティングの容易さです。テレビを見ない人も多いと言われるZ世代は、概して大手企業や有名ブランドの販売戦略にのせられることがありません。また、スマホを介した買い物やアプリ内課金に積極的なため、既存の流通経路を介さずとも商品やサービスの提供が可能です。

 

2つ目は、LTV(顧客生涯価値)の高さです。Z世代は、単純に人生の残り時間が多いというだけでなく、若く多感な時期の真っ只中にあって食べ物やファッション、趣味に関する好みの確立に余念がありません。このタイミングで顧客として取り込み、将来ロイヤリティの高いリピーターに育て上げることができれば、自社に長期的に利益をもたらす存在となり得ます。

 

3つ目は、SNSによる流行・拡散の火付け役としての期待です。かつてのテレビや雑誌に代わり、今や流行の発信や拡散の主たる役割を担うのがSNSです。SNSでのインフルエンサーの投稿やシェアが、「バズる」と言われるヒット商品や流行の創出に直結する時代を迎えています。バズマーケティングの成否は、SNSからの情報を重視するZ世代へのアプローチ如何で決まると言っても過言ではありません。

 

Z世代をターゲットにしたECサイト制作のコツ

ここでは、Z世代をターゲットにしたECサイトを制作する際の2つのコツをご紹介します。

 

SNSの活用は必須

Z世代をターゲットにしたマーケティングで必須となるのが、SNSの活用です。Z世代は、様々なプラットフォームを好みや必要に応じて使い分けるだけでなく、マルチタスクによる商品検索にも長けています。そのため、プラットフォームへの対応に偏りがあると、機会損失を招きかねません。

 

「YouTube」や「Twitter」はもちろん、Z世代の間では特に写真や動画の投稿やシェアができる「Instagram」や、最近ではショートムービーが投稿できる「TikTok」も多くの支持を集めています。これらのSNSの閲覧がZ世代の購買行動のきっかけになることが少なくないため、信頼に足るインフルエンサーを起用した自社の商品・サービスの正確な情報発信を通じて訴求効果の向上を狙うのもおすすめです。

 

体験型消費による販売促進

モノよりもコトの消費に価値を見出すZ世代に対しては、サイト上で単にモノを販売するだけでは訴求できません。モノを販売する際に体験型消費の機会を併せて提供し、Z世代のコト消費に対する満足度を高めて販売促進を図ることが大切です。

 

これまでの成功事例としては、実店舗や場所を借りたイベントの開催、人気アーティストやアニメとのタイアップによるファン感謝祭への招待などが挙げられます。

 

Z世代からの集客を募るSNSの活用方法

ここからはZ世代からの集客を募るSNSの具体的な活用方法を解説していきます。

 

SNSアカウントの運用

SNSの基本的な活用方法です。企業としてのSNSアカウントを作成し、新商品のお知らせやセール・キャンペーンの告知といったZ世代の興味・関心を惹きそうな情報を投稿します。リピーターやフォロワーはもちろん、見込み顧客とのコミュニケーションを通じて関係性を深め、プロフィール欄に貼ったリンクからECサイトに誘導するのが狙いです。

 

上手に活用できれば、SNS上でのやりとりの活発化が新たなファン層の開拓に繋がったり、プロモーションやインフルエンサーによる訴求が功を奏して「バズり」を生んだりするチャンスがあります。ただし、1つ間違えれば言葉遣いやコミュニケーションにおける行き違いにより企業イメージを損なって顧客や販売機会を失いかねないことから、運用には細心の注意を要します。

 

広告配信

様々なSNSを自在に操るZ世代を顧客に取り込みたいのであれば、TwitterやFacebookをはじめとする各SNSに自社の広告を配信できる「SNS広告」も効果的に活用したいところです。SNS広告は、タイムラインのフィード投稿内に一般ユーザーの投稿と似た形で自然に表示されるため、ユーザーに違和感を抱かせることなく自社製品・サービスの認知を拡げられるメリットがあります。

セグメントの細分化によりターゲットをZ世代を含む若年層に絞り込むことで、広告費のコストダウンも実現します。

 

インフルエンサーに商品PRを依頼

SNS上で大きな影響力を持つのが、ユーチューバーやインスタグラマーなどの「インフルエンサー」です。インフルエンサーに消費者目線で商品をPRしてもらうことで、フォロワーであるZ世代の心にダイレクトに働きかける、訴求効果の高いマーケティングが実現します。

 

ライブコマース

ライブ配信により自社の製品やサービスを視聴者に紹介して、サイトでの購入に導く販売手法を言います。実店舗での接客時とほぼ変わらない形でユーザーからの質問に回答したり、疑問や不安を解消したりができる双方向的な関係性が保てることから、購買に向けた的確な「背中のひと押し」が可能です。

 

ライブ配信は企業担当者が主催することもありますが、インフルエンサーをゲストに招いたインスタライブやYouTubeライブ配信などで生まれる相乗効果により、ライブ感を伴ったより確度の高い訴求効果が期待できるでしょう。

 

まとめ:SNSを活用してZ世代を自社のECサイトへ流入させましょう

SNSを通じた仲間や社会との情報の主体的・双方向的なやり取りを好むZ世代には、従来の大量消費・大量生産型の発信一辺倒の情報提供の手法は通じません。しかし、ひとたび彼ら彼女らの心に刺されば、情報受発信・共有意欲が強力なサポーターとなって、自社に多くの果実をもたらす可能性もまた秘めていると言えるでしょう。

 

SNSの特性をよく理解したうえで、Z世代の琴線に触れるマーケティング戦略の構築を図っていきましょう。